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企業のITリーダーの役割はどう変化している?

KPMGコンサルが4000人調査
 KPMGコンサルティング(東京都千代田区、宮原正弘社長、03・3548・5111)がまとめた世界84カ国・3958人のITリーダーの調査によると、最高情報責任者(CIO)の役割が変化していることが明らかとなった。「CIOが担う戦略的役割が増している」との回答は65%となり、組織における最高デジタル責任者(CDO)の存在感の高まりとともに、経営陣がCIOに求めるビジネス課題として「革新的な新製品・サービスの開発」が最も重視されていることが分かった。

 調査はKPMGと英ハーヴィー・ナッシュが2017年12月から18年4月にかけて実施。IT予算が増加したと回答したITリーダーの割合は過去13年間で最も高い49%となった。

 CDOについては「兼務」が多く、専任のCDOを設置している組織は11%だった。これに対し、CIOとの兼務は倍以上の24%、CIO以外の役職者との兼務は14%だった。多くのケースで「CDOを新たに採用するのではなく、組織内の既存の人材が自身の解釈によるCDOの役割を担っている」(KPMGコンサルティング)という。

 IT業界で課題となるスキル・人材不足の現状もあらためて浮きぼりとなった。最も不足しているスキルについては全体の46%が「ビッグデータ(大量データ)/分析」と回答し、4年連続で1位だった。前年比で最も変動が大きかったのは「セキュリティー/レジリエンス」。前年の28%から35%に大幅に上昇した。

 また、「適正なスキルを備えた人材の不足が原因で変化のペースに対して後れを取っている」という回答が全体の65%と、約3人に2人に上った。スキル不足への解決策としては、これまで通りに「請負業者や外部コンサルタントの採用」が最も多かったが、全体の67%が人員を補充する代わりにオートメーション化を実施、あるいは計画していると回答した。
日刊工業新聞 2018年11月5日

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