見通しが甘かった…、経営再建へ正念場続くパイオニア

財務基盤立て直し急ぐ

 パイオニアの経営再建に向けた正念場が続いている。香港投資ファンドのベアリング・プライベート・エクイティ・アジアとの協議が想定より長引き、同社からの支援受け入れの正式契約が決まらない。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ぶ自動車産業の新潮流をめぐり業界再編が進む中、再成長に向けた基盤を早期に築けるか。タイムリミットが迫っている。

 「支援を受ける方向性は変わっていないが交渉を進める中で詳細を詰めなければならない案件がいくつか出てきた。少し時間軸の見通しが甘かった」。

 森谷浩一社長は7日に都内で開いた2018年4―9月期決算説明会でべアリングとの協議が長引いている理由をこう説明し、契約時期については「協議中」として明言を避けた。

 パイオニアは完成車メーカー向けに供給する車載機器のOEM(相手先ブランド)事業の収益が悪化し、ベアリングからスポンサー支援の受け入れで9月に基本合意。

 当初は10月末までに契約を結ぶはずだったが、11月以降にずれこんだ。18年4―9月期の当期損失は前年同期の約26億円から約99億円に広がるなど足元の経営は厳しい状況が続く。

 カーエレクトロニクス業界では生き残りをかけた再編が相次いでいる。アルパインはアルプス電気と19年に経営統合し、クラリオンは日立製作所から独立して仏自動車部品大手フォルシアの傘下入りを決めた。ライバルがCASE対応に向けて次の一手を打つ中、パイオニアに残された時間は多くない。

 「財務基盤を強化し早く会社の新しい方向性を示すのが私の使命だ」。森谷社長の宣言通り、無事に再成長に向けスタートを切れるか。交渉をめぐって難しい局面が続きそうだ。

日刊工業新聞2018年11月8日

日刊工業新聞 記者

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11月09日
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