ボーイングと真っ向勝負、エアバスA350の実力は?―JALも2019年から導入
受注続々
JALも最大56機導入へ
JALは13年10月、エアバスと31機の確定発注とオプション25機を含め、最大56機を購入する契約を結んだ。発注数は、オプションまで含めると、カタール航空、シンガポール航空、エティハド航空、ユナイテッド航空に次ぐ5番目の規模となる。
JALがA350を大量に発注するのは、主力機の777の後継機と位置づけているからだ。JALはこれまで、エアバスの機材を運航した経験がほとんどない。A350の契約は、従来の機材調達のスケジュールに比べると、1年半ほど早いという。
受領に向け、エアバスのオフィスがある仏トゥールーズに3月まで技術者1人を長期滞在させ、6月には2人を派遣した。2月には、JALとエアバスの客室の技術者が、独ハンブルクの施設で、初めてミーティングを実施。今後は機材の部品製造が始まる16年をめどに客室の仕様などを決める。
JALはローンチカスタマーのカタール航空と同じ航空連合「ワンワールド」に加盟していることから担当者間の情報交換などを行っている。カタール航空の運航便に搭乗し、運航や客室、整備などの調査を進めている。
JALの運航が始まれば、日本の各空港にも多くのA350が乗り入れることになる。成田国際空港(NAA)によると、A350はそれほど大きな機材ではないため、A380のような、受け入れに向けた大規模な設備投資などは必要ないという。
各空港では、ボーディングブリッジやスポットなど、設備が条件を満たしているか、図面などをもとにチェックし、運航開始に備えることになる。
日刊工業新聞 2015年07月28日深層断面より