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ボーイングと真っ向勝負、エアバスA350の実力は?―JALも2019年から導入

受注続々
ボーイングと真っ向勝負、エアバスA350の実力は?―JALも2019年から導入

ベトナム航空は世界で2番目、アジアで初めてA350を受領


アジア初導入、ベトナム航空の戦略


 ベトナム航空は2日にA350―900型機を受領した。ハノイのノイバイ空港で行われた受領セレモニーには、グエン・タン・ズン首相も出席するなど、国を挙げての一大イベントとなった。
 ベトナム航空はA350を10機発注しており、リース契約も含め、今後数年かけて、14機を導入する計画。初号機はハノイとホーチミンを結ぶ国内線などで運航した後、9月30日から、ハノイ=パリ線など欧州路線に投入する。15年中に4機受領し、保有機を拡大する予定で、欧州の長距離路線を中心に順次、営業運航に導入する。
 ベトナム航空のファム・ゴック・ミン最高経営責任者(CEO)は、今後の計画について「A350の運航は当面、欧州路線が中心になるが、日本路線にも投入したい」と述べた。A350の機材数の拡大に伴い、基幹路線の一つである日本に導入したい意向を明らかにしている。

型式証明など課題も


 ただ、新たな機材を運航するには、日本の航空当局に対し、メーカーが型式証明を取得した上で、航空事業者も事業認可などの手続きが必要になる。未就航の機材を初めて導入するには、耐空証明や機材の登録証明などのほかに、整備や運航の体制を国土交通省の担当者にチェックしてもらい、承認を得る必要がある。
 こうした未就航の機材を運航するための手続きを、外国の航空会社が単独で進めるのは、非常にハードルが高い。煩雑な手続きは、日本の航空会社に頼りたいところだが、JALのA350の運航開始は4年後の19年。JALは現在、エアバスと客室の仕様などについて、調整に入ったところで、航空当局や空港との就航に向けた手続きに着手するのは、就航から2年前の17年くらいの予定だ。
 ベトナム航空ではこうした状況を踏まえ、日本路線については、すでに日本に乗り入れいている米ボーイング「787―9型機」を16年始めに投入する。A350は、JALの動向を見極めながら、導入を検討していく。

JALも最大56機導入へ


日刊工業新聞 2015年07月28日深層断面より
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
787と同じような構造(機体重量の半分がカーボン)を持ちながら787よりも大きく、大型機の「777」とも競合するA350。エアバスは、中型機と大型機の中間に位置するA350を開発したことで、二つのボーイング機種と競争する力を得たと言えます。複数の通路を持つ中・大型機では圧倒的な力を誇ってきた王者ボーイングに「航空機の欧州連合」たるエアバスが食い込むという構図は、見ていてとても面白いものです。 日本企業も、いつかは・・・という気にさせられます。

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