アリババ、雇用1億人創出への道筋

1000万社の中小・零細支援

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約8万人の社員を抱えるアリババの本社
 世界最大規模の小売り・流通企業である中国の阿里巴巴(アリババ)集団は、インターネットを活用した経済プラットフォームの構築を進めている。今後20年で小売りや社会インフラ、電子商取引(EC)プラットフォームなどの事業を強化することで、1000万社の中小・零細企業を支援し、20億人へのサービス展開と1億人の雇用創出を目標に掲げる。

 「taobao(淘宝網)」はアリババが運営するアジア最大の消費者向けECウェブサイト。2016年には5000億ドルの取引額があり、20年には1兆ドルの取引を目指す。デジタルの力でモノ、人、場所という小売業に欠かせない3要素を再構築する。そのために、アリババが現在取り組んでいるのが、オンラインのデータとオンプレミス(自社保有)の独立した状態で存在するデータの統合だ。これに、第三者企業(サードパーティー)との連携を含め、さまざまなブランドとアリババのクラウドコンピューティングを基盤とした一本化を進める。

 特に中国国内向けの個人ECサイト「Tモール(天猫)」では、同サイトを中心に実店舗や仮想店舗を含めた一つのエコシステムの形成を目指す。

 プラットフォームの構築は同社の中核事業だ。09年からクラウドサービスを始め、さまざまな領域へと拡大している。例えば、都市の道路の信号機やカメラのデータを収集・分析することで、信号の切り替え時間の管理による交通渋滞の緩和や事故の検出につなげている。ある都市では1300台の信号のデータを管理することで渋滞率が15%減少したという。同社では都市向けのほか、産業や農業、金融、物流などへクラウドを利用したプラットフォームの構築によってデジタル変革を進めていく。
(文=川口拓洋)

日刊工業新聞2018年10月29日

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