中国の次はインド、動く“安倍経済外交”

モディ首相が28日来日、インフラ協力でさらに踏み込む

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昨年のインド訪問時に新幹線シミュレーターを視察する安倍首相とモディ首相’(首相官邸公式ページより)
 インドのモディ首相が28、29日の日程で来日する。29日には安倍晋三首相と会談し、日本政府が進める太平洋からアフリカ東部までの広域外交戦略「自由で開かれたインド太平洋戦略」での連携や、インフラでの政府開発援助(ODA)など、安全保障・経済分野での協力について意見を交わす予定だ。モディ首相の来日は2016年11月以来3回目。首脳会談は17年9月の安倍首相のインド訪問から約1年ぶり、12回目の開催となり、関係の緊密さは今回の会談でもアピールされそうだ。

 これまでも日本とインドはインフラ投資などで経済関係を深化させており、近年の大型プロジェクトとしては、日本の新幹線方式を導入したムンバイ・アーメダバード間の高速鉄道事業が進められている。総事業費は約2兆円規模に上り、17年のインド訪問に際しても安倍首相が起工式に出席した。

 国際協力機構(JICA)によると、インドにとって日本は最大の2国間資金提供国で、インドは04年度以降最大の円借款受け取り国。ムンバイ・アーメダバード間高速鉄道以前では98年着工の「デリーメトロ」など、インド6都市での地下鉄事業が知られる。

 インドはいまだインフラ整備が遅れており、世界経済フォーラムによる17年の「世界競争力報告」でも、インドのインフラ整備状況は137カ国中66位。鉄道のほか道路や上下水道、防災分野など、今後の開発の需要は強い。

 18年度のインド政府の予算でも農村開発とインフラ整備が掲げられ、インフラ整備には前年度比約21%増の5兆9000億ルピー(約10兆円)を計上している。

 日中首脳会談で「競争から協調へ」舵を切った安倍外交。先端技術をめぐる新対話の設置やガス田開発協議の早期再開などで合意した。米中という両大国をにらみながら、もう一つの「大国」、インドとどのように関係を深化させるのかが試される。

日刊工業新聞2018年10月26日の記事に加筆

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