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知っているけど実現できない・・・中小企業の“健康経営”事情

「社長さん白書」2018年の調査結果が公表された
 アクサ生命保険は24日、全国の中小企業経営者へ経営課題などを聞く「社長さん白書」の2018年調査結果を公表した。それによると、「健康経営」の認知度が高まっているものの、実際に、導入に向けた取り組みを始めたりする企業は少ないことが分かった。具体的な対応が分からず導入が頓挫している現状も明らかになった。

 今回の調査では健康経営という言葉を知っているかとの問いに対し、「初めて知った」と答えた経営者は全体の42%で、前回の16年調査から13ポイント減った。大手企業を中心に健康経営の実践が相次ぎ、これらと取引する中小企業でも認知度が向上したとみられる。

 一方、同じ問いに対し、「内容を知っており、取り組んでいる」と答えた経営者は13%と、前回から6ポイント増えたものの、少数に留まった。

 さらに、健康経営を進める際の必要な支援を聞いたところ、導入に向けた進め方、メリットや他社事例を知りたいといった回答が多かった。取り組みが進まない背景には健康経営の必要性を意識しながらも、具体策が分からないという事情があるようだ。

 ヒト、モノ、カネ、情報のうち最も重要なものは何かという問いに対しては80%がヒトと回答。これは3年前の調査と同じ割合で、中小企業が人材を重視する姿勢に変化がないことが分かった。

 4月から6月まで全国の中小企業経営者を対象にアンケートを実施。6685人から回答を得た。「経営者の未来づくり」をテーマに、健康経営のほか、会社の経営資源などについても聞いた。
日刊工業新聞2018年10月25日

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