深刻化する人手不足、2030年には644万人が足りなくなる

パーソル総合研究所と中央大が共同研究を発表した

 パーソル総合研究所(東京都渋谷区、渋谷和久社長、03・6385・6888)と中央大学は23日、2030年の国内における人手不足の推計値は644万人とする共同研究を発表した。17年の121万人に対して5倍以上に上昇する見通し。前提条件が変わればさらに増える可能性もある。一方、女性やシニア、外国人の就労拡大や技術革新による生産性向上で、人手不足の解消は可能としている。同日の会見で中央大学経済学部の阿部正浩教授は「日本経済の成長において人手不足の制約は強まる」とした。

 産業別で最も人手不足が見込まれるのは「サービス業」(400万人)で、以下「医療・福祉」(187万人)、「卸売・小売」(60万人)、製造業(38万人)の順。職業別では研究者や製造技術者、医師など「専門的・技術的職業従事者」(212万人)、専門性の高い「事務従事者」(167万人)での人手不足が目立つ。

 研究では女性、シニア、外国人の就労増加や生産性の向上を人手不足の対策として提言。だが賃金の推移や労働市場のミスマッチ解消、保育所の整備など「どれも難しい課題」(阿部教授)。パーソル総合研究所の渋谷社長は「(人手不足の問題を)一人ひとりが本気で考えるきっかけにしてほしい」とした。

 推計は19年―30年の実質GDP成長率を1・2%、30年の実質賃金(時給換算)を2096円(17年比261円増)、過去の技術革新のトレンドが続くことが前提。人工知能(AI)やロボットの活用など劇的な変化は想定していない。
          

日刊工業新聞2018年10月24日

国広 伽奈子

国広 伽奈子
10月24日
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解決への道のりが険しい人手不足の問題。具体的な数字が出ると危機感を持つ人も増えるでしょうか。

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