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企業の正社員不足、初の5割超

帝国データバンク調査
 帝国データバンクは7月の人手不足に対する企業の動向調査を行った。それによると、正社員が不足している企業は、前年同月比5・5ポイント増の50・9%で、7月としては初めて半数を超えて、過去最高を更新した。業種別では、ソフト受託開発などの「情報サービス」が最も高く、同1・6ポイント増の71・3%となった。

 そのほか、「不足」していると回答した企業を業種別でみると、「運輸・倉庫」が同6・7ポイント増の67・6%、「建設」が同6・8ポイント増の66・3%、「メンテナンス・警備・検査」が同9・5ポイント増の66・2%、「家電・情報機器小売り」が同2・4ポイント増の63・9%など7業種が6割台となった。

 規模別でみると、「大企業」は同6・7ポイント増の58・5%、「中小企業」は同5・3ポイント増の49・0%。規模の大きい企業ほど人手不足感が強くなっている。

 非正社員の「不足」企業は同3・6ポイント増の33・0%。業種別では、「飲食店」が同4・9ポイント増の82・9%で最高になった。

 企業の人手不足は高水準での推移が続く。業界全体で人手不足解消に向けた取り組みを一段と進める必要がある。人口減少と景気回復を背景に人手不足が深刻化するなかで、人材確保難とともに人件費の上昇など中小企業の収益に影響を及ぼす可能性も高い。

 帝国データでは、企業は生産性向上に向けた取り組みを強化する一方で、政府は市場を通じた労働力の最適配分を促す政策の実行が一段と求められるとしている。

 
(2018年8月29日)
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
ロボットの活用や、一部業種では副業の推進も人材不足への対策として期待されていますが、今回の数字を見ると、改めて不足分をカバーするのは容易ではないと感じます。

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