IoT向け通信の主役に、“シグフォックス”が仲間集め加速

デバイスなどを手がける企業との協業を500社に

 京セラコミュニケーションシステム(京都市伏見区、黒瀬善仁社長、075・623・0311)は、IoT(モノのインターネット)に適した無線通信「シグフォックス」の利用に必要なデバイスなどを手がける企業との協業を、2018年度内に現在と比べ3割増の約500社に増やす。シグフォックスは基地局設置や運用のコストが低く、インフラ監視などに活用が広がっている。協業先を増やし、IoTなどに使いやすくする。
 
 シグフォックスは消費電力が少なく広域に無線通信できる規格「LPWA」の一つで、フランスのベンチャー企業が提供するサービス。京セラコミュニケーションシステムが日本国内の基地局整備や運用を一手に担う。シグフォックスをIoTなどに利用するには、対応するデバイスやアプリケーション(応用ソフト)、システムの構築が欠かせない。京セラコムの技術支援チームが、この3分野を重点に協業先の開発を後押しする。

 既に液化石油ガス(LPG)配送業務の効率化、家庭用灯油の残量計測、山や構造物の傾斜監視、子どもの見守りといったさまざまな用途で運用が始まった。京セラコムは低コストを強みに協業の企業数を増やし、各業界や地域の特性に合わせたサービスの拡充を通じ、顧客がシグフォックスを活用する基盤を広げる。ペットボトルのフタや配達物の開け口に取り付けて開封検知するといった「使い捨てデバイス」で新たな用途展開も見込む。

 シグフォックスは「LoRaWAN(ローラワン)」や「NB―IoT」といった他のLPWA規格と比べ、通信速度が遅い。また1回の送信データ量が少なく、1日の送信回数も制限がある。ただ仕様が簡素なため、基地局設置やサービス運用のコストを抑えられる。通信料金は現状、LPWAの中で最も安い水準。

 

日刊工業新聞2018年10月22日

葭本 隆太

葭本 隆太
10月22日
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シグフォックスは通信を行う時に免許が不要な「アンライセンス系」。携帯大手は免許が必要な「ライセンス系」の「NB-IoT」や「LTE-M」の提供を本格化させつつあります。IoT向け通信の顧客獲得争いもより活発になりそうです。

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