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宮内庁御用達が開発する女性アスリート麺

健康管理で生じる“三主徴”の解決を目指す
宮内庁御用達が開発する女性アスリート麺

開発に向けて、素材の選定が進んでいる

 玉川食品(東京都北区、関根康弘社長)は、東京家政大学と共同し、女性アスリート向けに栄養機能を強化した乾麺「アスリート麺」の開発に乗り出した。「アスリート麺開発プロジェクト」として、24日にまずはヨモギと玄米の栄養素を練り込んだ試作品の試食会を実施する。麺を入れるパッケージの制作も同大と取り組む。2019年8月をめどに女性アスリートのパフォーマンスを発揮できる体づくりを考えたアスリート麺を販売する計画だ。

 玉川食品は焼成ウニ殻カルシウムなどの素材を麺に練り込む技術と商品開発力に強みを持つ。現在、玄米、沖縄ヨモギ、ビーツ、タマネギの皮などを練り込む栄養素を選定中だ。麺の形状は「そうめん」を想定し、女性に必要な栄養素を選定した上で、商品化する予定。

 女性アスリートはトレーニングに伴う「利用可能エネルギー不足」、それによる「運動性無月経」や「骨粗しょう症」の三つの課題「三主徴」が健康管理上での課題となっている。そこで、トレーニングで疲れていても食べやすく、短時間の料理で手軽に栄養素を補うことができる麺に注目。葉酸など女性に必要な栄養素を練り込んだ麺を活用することで「この課題を解決する一助としたい」(関根社長)考えだ。

 玉川食品は都内23区で唯一の乾麺製造業者。東京都地域特産品の認定品「満さくうどん」を手がける。一般的な乾麺製造の4倍に当たる24時間かけて干す熟成乾麺などの製法による風味豊かな麺作りが評価され、「宮内庁御用達」にもなっている。
日刊工業新聞2018年10月18日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
パフォーマンスの向上と健康管理を両立させるのは思いの外難しい。健康に悩むアスリートが減ることを祈るばかりです。

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