太陽光パネルをリサイクルする装置の開発が進んでいる

環境保全サービス、「最終的に100%のリサイクルが可能」

少量選別で分別精度向上


 廃ガラスリサイクル装置メーカーの環境保全サービス(岩手県奥州市、狩野公俊社長、0197・25・7522)は、太陽光パネルのリサイクル装置「ガラスわけーるIII型システム」の開発に力を入れている。2018年内には完成し、同年度内の販売を目指す。設備一式と工事費などを併せて9400万―9500万円程度で販売する予定。

 装置の処理工程は、まず太陽光パネルを油圧式のプレス機にかけてアルミニウム枠を外す。次にローラーで大きなガラス片を剥離する。さらにブラシで、細かいガラスや導線、発電セルなどをそぎ落とし、最後はバックシートだけの状態にする。

 剥がしたガラスなどは、ベルトコンベヤーで運び、ホッパーで一時的に保管し、分別工程に進む。精度を上げるためにインバーターで調整して少量ずつ選別機にかけ、風力選別、色選別、金属検知器を経て各種素材に分別する。

 素材はアルミや銅、銀、ガラスなどの資源化製品に、バックシートは助燃剤などとして再利用でき、「最終的に100%のリサイクルが可能」(狩野社長)という。今後は工程の自動化を進め、1分当たり1枚のペースで処理できるように改良する。

 19年以降、住宅用太陽光発電の固定価格買取(FIT)期間が終了する世帯が出始める。また、天災などで故障する太陽光パネルが増えていることから、パネルのリサイクル処理の需要が伸びると見られる。

 さらに「使用済みパネルは産業廃棄物扱いのため、越県するのに手続きが必要」(同)で処理のハードルも高い。現在は溶融炉で燃やして土木資材にするなどで対応しており、「リサイクル処理の体制が整っている自治体はほとんどない」という。

 装置は年数台ずつ販売し、6年後には年30台程度の販売を目指す。「導入する企業は環境省の補助金を活用できる可能性がある」(同)としており、将来は各都道府県の業者に装置を納品して全国のリサイクル体制を整えたい考え。
(文=仙台・田畑元)

日刊工業新聞2018年10月11日

  

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