サントリービール社長が語る“ビール離れ”に対抗する“神泡”戦略

山田賢治社長インタビュー

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サントリー公式フェイスブックページより
 サントリービールは主力ビール「ザ・プレミアム・モルツ」の1―9月の販売数量で前年同期実績を上回る1206万ケース(1ケースは大瓶20本換算)を見込む。市場では“ビール離れ”といった厳しい環境が続くが、きめ細かい泡「神泡」をPRする戦略でシェア獲得を進め、2018年通期で前年比1%増を目指す。ビールや第三のビールを含めた今後の事業の取り組みについて、山田賢治社長に聞いた。

 ―今夏までのビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)の市場動向はどうでしたか。

 「4月以降に実施した業務用の値上げの影響は現在も残っている。夏は猛暑で追い風と思ったが、台風が多かったり豪雨があったりと相殺された。その中で、ザ・プレミアム・モルツは6―8月の販売数量で4%増、うち缶製品は11%増と健闘した。神泡のプロモーションが数字に結びついた。1―8月のビール類全体の販売で言えば前年同期比2%減くらいだが、満足できる水準ではない」

 ―第三のビールは苦戦している感があります。

 「昨年夏に発売した高アルコールの『頂(いただき)』は、前年実績が大きかったこともあり厳しかったと言える。また主力の『金麦』は12年目となり6月からは前年実績を上回ったが前半は伸び悩んだ。しかし、これから巻き返しを図る。秋冬に向け、金麦が鍋料理などの食事と相性が良いことをアピールし、活性化を狙う」

 ―ビール各社が第三のビールで高アルコール商品を投入しました。このカテゴリーは好調なのですか。

 「各社がアルコール分7―9%の商品を投入し話題になったことは確か。ただこのカテゴリーが大きく伸びているかというとそれほどではない。アルコール分が高いことのメリットを付加価値として消費者にどう伝えるかということが課題と感じる」

 ―神泡の戦略は今後どのように展開しますか。

 「神泡の認知率は順調に高まったが52%ほど。年内に60%に引き上げたい。秋以降に提供店舗でメニューに神泡の画像を添付したり、店員が『神泡をどうぞ』と声をかける活動を始める。また家庭で神泡をつくれる『神泡サーバー』を使って実演販売を全国約2000店舗で実施する」
サントリービール・山田賢治社長

(聞き手・井上雅太郎)

日刊工業新聞2018年10月3日

COMMENT

泡をビール特有の価値としてビール各社が付加価値の研究に着手しており、さながら“泡戦争”の様相だ。そんな中でサントリーは神泡サーバーをビールの販売で同梱したり、テレビCMで強調するなどのプロモーションが奏功した。ただ第三のビールでは課題を残しており、次の一手をどう打つのかが注目されている。 (日刊工業新聞社・井上雅太郎)

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