NTNが実力軸受部品メーカー買収で何を狙う?

複雑な形状を作れる鍛造技術を持つ羽咋丸善、大型部品の材料費抑える

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NTNの大型産業機械用軸受
 NTNは風力発電設備向け大型軸受などに使う鍛造部品のメーカー、羽咋(はくい)丸善(石川県羽咋市)を買収する。買収額は100億円程度とみられる。このほど両社が合意した。同じ石川県の能登地区にあるNTNの4工場との連携を進めて、大型産業機械用軸受の一貫生産体制を充実する。

 羽咋丸善は独自の鍛造技術や設備を使い、風力発電設備の大型軸受や建設機械の旋回台座などに必要なリング部品を生産する。鋼材を削らずに、複雑な形状を作れる技術力が強み。

 材料のムダが少ないため、大型部品では特に材料費の削減効果が高い。NTNのほか大手軸受けメーカーなどにも納入実績があり、軸受用鍛造部品のシェアが高い。

 NTNは石川県の能登地区を、大型産業機械用軸受の主要生産拠点に位置づけている。2017年には同地区に熱処理工場を設置し、一貫生産体制を敷いた。

 羽咋丸善からは09年に鍛造工場を譲り受けたこともあり、両社の関係は深い。羽咋丸善の事業を引き受けることで同社の高い技術を取り込み、グループ内の一貫生産体制を強めつつ稼ぐ力を向上する。

日刊工業新聞2018年9月28日

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

NTNは21年3月期までの3カ年中期経営計画で、産業機械向けの売上高を18年3月期比約5%増の1250億円に増やす目標を掲げる。同社は羽咋丸善の買収により、競争力のある産機向け部品のラインアップも増やし、産機向け事業の拡大に弾みを付けたい。

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