パナソニックも“フルサイズ”センサー、さらに激化するミラーレス戦線

富士フイルムは画素数1億超の画像センサー搭載

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パナソニックの35mmフルサイズイメージセンサー搭載の「LUMIX S1R」
 ドイツで開催中のカメラの国際展示会「フォトキナ」で25日、日系メーカーが高級ミラーレスカメラの新モデルを相次ぎ発表した。パナソニックはイメージセンサーがフルサイズのミラーレスに参入する。富士フイルムも中判サイズで有効画素数が1億超の旗艦モデルを投入する。高級ミラーレス市場は既にニコンとキヤノンも参入を決めており、競争はますます激化しそうだ。

 「サブカメラではなく、メーンカメラになる」。来春に自社初のフルサイズミラーレスカメラを投入するパナソニックの本間哲朗専務執行役員は、そう意気込む。同社は小型イメージセンサーを使いつつも、本格的な動画撮影ができる点を強みに製品展開してきた。今回、従来比4倍に大面積化するフルサイズセンサーを使うことで、背景のボケ具合などの表現力が大きく向上する。フルサイズで唯一、高精細の「4K」解像度で毎秒60フレームとなめらかな動きの動画撮影も実現。動画撮影の時だけ使う控え(サブ)から、レギュラー(メーン)の地位へと昇格を目指す。

 フルサイズで最後発のパナソニックは「仲間作り」戦略の下、独ライカカメラの規格を採用。ライカ製交換レンズも使えるようにし、課題である自社製交換レンズのラインアップの少なさを補う。

 スマートフォンのカメラ機能の向上により、個人が動画撮影し会員制交流サイト(SNS)で共有する世界的な潮流が生まれている。スマホの普及でパナソニックも一時はデジカメ販売が低迷。一方、スマホ以上の動画性能を求めるニーズも高まり、動画が強みの同社には追い風だ。

 富士フイルムは中判サイズのミラーレス「GFX」シリーズで2機種を投入する。中判サイズはフルサイズの約1・7倍の面積を持つため受光能力が優れ、より高画質の撮影が可能となる。旗艦モデルは有効画素数が1億200万画素と、民生用ミラーレスカメラとして初のスペックとなる1億台にのせた。本体の想定価格は100万―150万円。発売は2019年前半とまだ先だが、他社を寄せ付けない圧倒的なスペックでプロユーザーを中心とするニーズを開拓する。

 もう1機種の「GFX 50R」は11月に発売する。現行モデルの「50S」から本体価格を約3割抑えた56万5000円前後とし「フルサイズ型に予算をもう少し足せば手が届く価格設定にした」(光学・電子映像事業部の飯田年久事業部長)。

 デジタルカメラ市場ではミラーレスへのシフトが進んでいる。カメラ映像機器工業会(CIPA)によると、18年1―6月期の国内出荷台数は一眼レフの約24万台に対し、ミラーレスを含むノンレフレックスは約29万台だった。平均単価も高級モデルのニーズを反映し、直近の17年で5万4300円と12年からは約1・7倍に上昇している。現状、高級市場はソニーが圧倒的なシェアを誇る。ただ、ニコンとキヤノンに加え、パナソニック、富士フイルムが新商品を投入することで、高級ミラーレスを巡る市場競争はさらに激しくなりそうだ。
(取材・文=大阪・平岡乾、杉浦武士)

日刊工業新聞 2018年9月26日

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梶原洵子
編集局第二産業部
記者

ミラーレス以外ではリコーが高級コンパクトカメラの最新機「GR Ⅲ」をフォトキナに参考出品します。2019年春に発売予定です。

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