サムスン追う東芝メモリ、四日市の新棟完成で見せた“友人”関係

最先端の96層NANDフラッシュ量産

 東芝メモリ(TMC、東京都港区、成毛康雄社長、03・3457・3370)は19日、四日市工場(三重県四日市市)で第6製造棟が完成し、韓国サムスン電子を猛追する態勢を整えた。東芝メモリは売却を巡って米ウエスタンデジタル(WD)と仲たがいを経験したが、同日の式典にはWDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)も駆け付けるなど友好ムードが漂う。両社で“連合軍”として歩を進められるかが注目される。

 英調査会社IHSマークイットによると、NAND型フラッシュメモリーの2017年の世界シェアは韓国サムスン電子が38・7%で首位。2位の東芝メモリは16・5%と、水をあけられている。TMCの成毛社長は同日の会見で「技術開発をWDと一緒にやり、絶対に競合に引けを取らないようにしたい」と攻勢をかける構えを示した。WDのミリガンCEOも「東芝メモリとともにさまざまなブレークスルーを作ってきたことを誇りに思う。将来にもつなげていきたい」と強調した。

 第6製造棟は鉄骨造5階建てで、建屋面積は約4万平方メートル。大きさは四日市工場の既存の製造棟とほぼ同じだ。半導体製造装置で使うパーツを運ぶ自動搬送車や人工知能(AI)を使った生産システムを導入し、最先端となる96層の3次元(3D)構造のNAND型フラッシュメモリーを量産する。具体的な設備導入や生産開始時期、生産能力、生産計画などは市場動向を踏まえて今後決定する。人員体制は公表していない。

 共同開発拠点「メモリ開発センター」も設けた。同センターは鉄骨8階建てで、建屋面積は4680平方メートル。四日市工場内のTMCとWDの技術者、計2000人を結集して最先端メモリーを開発する。東芝本体に残る次世代メモリーの開発部隊の一部も集約する考えで、2年以内をめどに技術者を500人増員する方針だ。

 TMCは岩手県北上市に構える生産拠点でも新製造棟を建設中。最先端の96層品を生産する計画で、19年秋に完成し、20年の稼働を目指している。

 サムスン電子も90層以上の製品開発を進めており、今後競争がさらに過熱しそうだ。

日刊工業新聞2018年9月20日

日刊工業新聞 記者

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09月20日
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AIやIoT(モノのインターネット)などの普及を背景にデータ量が急増する中、半導体メモリーは需要拡大が期待されている。TMCの成毛社長は「コンペティター(競合相手)に負けずに頑張っていきたい」と、追撃ののろしを上げる。(福沢尚季)

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