緑内障手術向け眼球モデル、微細な立体構造を再現した!

名大と東大が開発

 名古屋大学の新井史人教授と東京大学の相原一教授らは、人間の眼を模擬した緑内障手術用の眼球モデルを開発した。微細な立体構造を再現した眼球モデルを手術シミュレーターに搭載し、模擬手術に成功した。低侵襲な緑内障手術の訓練が可能になり、医師の早期育成に貢献する。

 緑内障では、眼球内の体液を排出する「シュレム氏管」を覆う膜「線維柱帯」の透水性が下がる。体液の排出が滞ると眼内の圧力が増加して視神経を圧迫し、失明する場合もある。

 治療には、線維柱帯を切開、または切除する手術が行われる。シュレム氏管は500マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の幅しかなく、また他の組織を傷付けないようマイクロフックと呼ばれる小さな針で手術を行うため、多くの練習が必要となる。

 研究チームは、作製したシュレム氏管を、線維柱帯を再現した高分子材料でできた薄い膜で覆うことに成功した。これにより作製したシュレム氏管は、本来の中空構造を再現できた。中に模擬血液の赤インクを注入することも可能だった。

 さらにこの眼球モデルを眼科手術シミュレーターに搭載し、実際にマイクロフックでシュレム氏管から線維柱帯を切除する模擬手術が成功した。
開発した眼球モデル

日刊工業新聞2018年9月14日

明 豊

明 豊
09月14日
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14日からの日本緑内障学会で発表、展示するので興味のある方はぜひ。

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