ペットボトルブームも…缶コーヒー強化のワケ

市場の6割を占める

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サントリー食品インターナショナルのコーヒー豆焙煎工場(神奈川県海老名市)
 大手飲料各社がショート缶を中心に缶コーヒーブランドの強化に乗り出している。缶コーヒーは需要の減少傾向が続いているものの、依然としてコーヒー市場の6割を占めており、各社テコ入れを図っている。サントリー食品インターナショナルは「ボス」ブランドで自社焙煎による上質感を強調。キリンビバレッジは「ファイア」ブランドを購買データを活用してフルリニューアルする。アサヒ飲料もボトル缶コーヒーを含めて「ワンダ」を拡充する。

 「仕事の合間に気分転換するコーヒーの需要はなくならない」―。サントリー食品の柳井慎一郎常務執行役員は缶コーヒーを強化する背景を説明する。

 コーヒー市場では同社が草分けとして投入したペットボトル入りコーヒーがヒット。ボトル缶を含めキャップで再栓できる利便性が受け、コーヒーカテゴリー全体の成長につながった。ペットボトルのヒットにより、コーヒー市場では缶からペットボトルへのシフトが起こっているとされる。だが「5分ほどの一服に価値を見いだすヘビーユーザーの需要は残存する」(柳井常務執行役員)と指摘。改めて缶コーヒーを強化する。

 同社は自社グループでコーヒー豆の焙煎工場を持つ。神奈川県海老名市で新工場を稼働した。新焙煎豆を使う新商品「ボス THE CAN COFFEE」と「サントリー コーヒーロースタリーズ」を発売した。同焙煎豆を基幹商品に展開していく。

 キリンは「ファイア」を大幅刷新し25日に発売する。健康志向を踏まえて糖分やカロリーを抑え、微糖・ブラックを拡充。さらに飲用シーンに合わせた味覚調整や商品開発を実施した。

 同社は独自の自動販売機サービスの購買データを活用し、飲用シーンごとに商品ラインアップを整理し、商品に合わせて味わいも調整した。ショート缶4種とボトル缶3種で展開。ファイアブランドは1―7月の販売で前年同期比約9%減と低迷しており、「リニューアルでテコ入れをする」(コーポレートコミュニケーション部)と意気込む。

 同様にアサヒ飲料も「ワンダ」を拡販する。ボトル缶「極(きわみ)」シリーズを刷新し4日に発売した。超高温の500度Cの火入れによる焙煎中の香り「焙煎香」を楽しめるように工夫。また、ショート缶でコクの深さを強調した「ワンダ プレジデントオブワンダ」と、自動販売機専用の「ワンダ 薫るひととき」も同日に発売している。

キリンビバレッジが刷新した缶コーヒー「ファイア」

(文=井上雅太郎)

日刊工業新聞2018年9月6日

COMMENT

葭本隆太
デジタルメディア局
ニュースイッチ編集長

オフィスで仕事をしていると、やはり使い勝手がよいペットボトル入りを選んでしまいます。一方、ちょっと休憩するシーンではペットボトルより缶コーヒーを選ぶ人の方が多いのでしょうか。

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