高まる衛星データの産業利用、どう加速する?

経産省、データ解析・応用を行える高度人材を養成

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宇宙ベンチャーのアクセルスペースが予定する衛星コンステレーションのイメージ(同社提供)
 経済産業省は、画像や測位情報など人工衛星データの産業利用に向け、データの解析・応用などを行える高度人材を2019年度から養成する。18年11月には準天頂衛星「みちびき」の運用が始まり、測位能力の誤差が数センチメートル級まで向上するなど、衛星データの産業利用に期待がかかる。難度の高い衛星データを扱える人材の裾野を広げ、アプリケーション(応用ソフト)の開発につなげて新産業の創出を図る。19年度予算概算要求に計上する。

 経産省は宇宙関連の19年度予算として「政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備・データ利用促進事業」に18年度当初予算比約17%増の約14億円を盛り込む。

 同事業の取り組みの一つとして、衛星データの活用スキルを習得する場を設ける。データを扱うには専門知識が必要なことから、データサイエンティストらを対象に講習会を開く予定。データを利用するためのプラットフォーム(基盤)も活用する。基盤を使いながらアプリ開発などを行ってスキルを身につけ、一定の能力を持つ人材を増やす。

 このほか同事業ではデータ基盤の開発に向け、実際に活用し実証しながら、その結果をフィードバックして完成度を高める取り組みも行う。利用者がより使いやすい基盤になるようにし、データの産業利用の拡大につなげる。18年度内には基盤のプロトタイプの運用を始め、アプリの開発や売買を行えるような環境を整える。

 このほか宇宙関連の予算では、宇宙用機器・部品の開発支援策として「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業」に同約43%増の約5億円を計上する。特に、近年は数百機の小型衛星群を打ち上げて一体的に運用する「コンステレーションビジネス」が拡大している。19年度は同ビジネスに使う衛星を完成させ、衛星軌道上で実証できるよう環境を整備する。

 20―21年度にも衛星を打ち上げ、宇宙空間で使えることを実証する。これにより競争力のある衛星や搭載部品・コンポーネントの早期の商用化や販路拡大を後押しする。日本は衛星の実証機会に乏しく、革新技術の商用化や販路拡大が遅れていたが、経産省が同ビジネスの拡大を見据えて後押しする。

日刊工業新聞2018年8月30日

COMMENT

葭本隆太
デジタルメディア局DX編集部
ニュースイッチ編集長

衛星データの利活用に向けては総務省も力を入れています。ニュースイッチの記事(https://newswitch.jp/p/13718)で紹介したようにデータの取得や解析を高度化する技術開発などを推進する方針です。

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