技術系職員も上級職に就ける!SI企業がIT技術者確保へ一手

2018年度から「フェロー」設定

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伊藤忠テクノは技術者に新たな職位を追加(イメージ)
 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、2018年度から新たな上級職位「フェロー」を設定した。高度な専門性や技術力を持つ社員の知見を経営に生かすと同時に、役職を設定することで、営業職と違い、評価の基準が曖昧な技術者のモチベーションを向上させる。情報通信業界向けの大規模システム開発や構築で実績のある人材を4月、第1号に任命した。

 今回、設定したフェローは、役員と同等の立場の職位と位置付けている。現段階で技術者の上級ポストである「技監」の中から、これまでの実績やスキル、専門性のほか、その専門性で社内にどういう影響を与えられるかといったことを評価して、選定する。

 専門的な知見を生かした、経営層への直接的な提言・提案の実施、市場の創出や顧客の開拓を通して、自社のブランド価値を高める役割を担う。

 設定した狙いを「当社の役員は営業出身が多い。技術系の社員にも技術力を磨くことで上級職に就けるチャンスがあると働きがいにつなげてもらいたい」(菊地哲社長)としている。

 同社では、15年度から技術職の評価を明確にするために、複線型人事制度を導入している。管理職層のキャリアパスを「マネジメント職」と「上級職」といったように複線化した。個人の成長を促進するとともに多様なキャリア形成を目指せるような制度を整えた。

 マネジメント職は、課長や部長、本部長などといった具合に従来のように、キャリアアップしていきたいという社員が対象となる。

 上級職は、技術者、営業、管理部門系の職種で、高い専門性を持ち、企業価値や業績の向上に貢献できる社員を対象とする。最高位の職位として「技監」「営業主監」「職能主監」があり、待遇は本部長と同等だ。

日刊工業新聞2018年8月30日

COMMENT

近年、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)などの定着により、各産業で事業成長のためのIT導入が活発化してきた。そうしたなか、自社でIT人材を保有したい企業も増えており、CTCのような専業者であるSI(システム構築)業界では、技術者不足が懸念されている。同社の取り組みは優秀な人材を確保するための施策としても期待されている。 (日刊工業新聞者・川口拓洋)

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