テレワークの先にある“真の働き方改革”模索するSI業界

事業の高度化や人材の多様化へ

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日立ソリューションズが開催したLGBTをテーマにしたセミナー
 テレワークのその先にある“真の働き方改革”とは―。SI(システム構築事業者)各社がさまざまな働き方改革に取り組んでいる。ITを使ってシステムを構築する情報サービス事業を手がけるだけに、例えば自社でテレワークをすでに導入している企業は多い。一過性の取り組みではなく、毎日多数の社員が利用する日常の風景になっている。他産業に比べて働き方改革が先行しているとも言えるが、さらなる働きやすさの実現へ歩みを進めている。

 日立ソリューションズは、障がい者のほか、性的少数者(LGBT)などの“性の多様性”に関する知見を社内で得る活動に取り組んでいる。テーマは、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)。働き方に関する制度の設計だけではなく、心身ともにあらゆる人が働きやすい職場の醸成を目指す。

 同社は国が7月に実施した働き方改革を進める運動「テレワーク・デイズ」の期間に合わせ、「ダイバーシティ・ウィーク」と題してLGBTや障がい者雇用など四つのテーマでセミナーを開催した。講演ごとに実際の参加者とテレワークからの聴講を含め約200人が耳を傾けた。人事総務本部労政部の金子竜也主任は「勝手な思い込みではなく積極的に知識、認識を得ることで多様な人材が幅広く活躍できる環境を整備したい」と話す。

 ダイバーシティ・ウィークに関する取り組みは2014年度から実施するが、業務時間内に外部講師を招き、LGBTのセミナーを開いたのは初めて。18年度下期には「女性の健康」に関するセミナーを開催。

 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、柔軟な発想を業務に発揮できるよう服装の見直しをはじめた。ジーンズやスニーカーなど新たに業務中に着用できる服装の選択肢を広げた。9月末までトライアル期間として実施し、その後アンケートなどで今後の方針を決めていく。

 CTCが見直した服装ガイドラインでは、ジーンズやスニーカー、ポロシャツのシャツ出しなどが新たに加わった。サンダルやTシャツは顧客の信頼を得るという観点から禁止だが、比較的自由な服装で働ける。人事総務室人事部労務課の飯田昌平エキスパートスタッフは「想像よりも社員に受け入れられている」と手応えをつかむ。
 
 同社は“働き方変革”と題し、働きやすい環境の構築を進める。これまで「朝方勤務」「スライドワーク」など時間の自由化のほか、「在宅ワーク」「タッチダウンオフィス(サテライトオフィス)」など場所の自由化に取り組んでいたが、さらなる働きやすさの実現を目指して服装の自由化を進めた。

日刊工業新聞2018年8月2日

COMMENT

SI業界の働き方改革で注目する点は、形ではなく中身を重視した取り組みに移行していることだ。働き方を見直しながら、どのように事業の高度化や人材の多様性を実現するか日々模索している。 (日刊工業新聞社・川口拓洋)

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