地銀がグループの垣根超えフィンテックで連携する狙い

収益性向上に系列や勘定系システムにこだわらず

 地方銀行がグループの垣根を越えてフィンテック(金融とITの融合)で連携する動きが活発化している。池田泉州銀行や群馬銀行など地銀広域連携7行は、各行自体のデジタル化を支援する共同出資会社「フィンクロス・デジタル」を25日にも設立する。千葉銀行も別の地銀広域連携7行などと共同で構築した「TSUBASAフィンテック共通基盤」によるサービスを始めた。金融機関を取り巻く環境が厳しさを増す中、収益性向上の手段として生かす方針だ。

 「単独では限界があるので、系列や勘定系システムにこだわらず、他行も参加できるオープンな開発を目指す」。池田泉州銀の前野博生取締役常務執行役員は連携の意義をこう強調する。

 長引く低金利や人口減少、少子高齢化といった環境の変化に対応するには、金融機関自体のデジタル化を強力に推し進める必要があるという共通認識の下、池田泉州銀など7行がまとまった。

 まず、各行のデジタル化を連携、協働して進めていくために、連携協定「フィンクロス・パートナーシップ」を5月に締結。今後、銀行業を高度化させるための人工知能(AI)、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA、仮想ロボ)による業務効率化、店舗のデジタル化などの開発、研究を進め、競争優位性を確立する計画だ。

 初年度に規程検索と個人顧客向け投信レコメンドのAIを開発する。AI開発を手がける澪標アナリティクス(東京都中央区)の井原渉社長は「これら二つのAIの効果検証を弊社で実施し、検証を終えた。今後の開発を弊社が受託する」と今後も同地銀連携に協力する方針だ。

 一方、千葉銀行など7行はフィンテックベンチャーなど外部事業者が同一仕様で接続できるオープンAPI(応用プログラムインターフェース)のプラットフォーム「TSUBASAFintech共通基盤」を共同で構築。

 ネストエッグ(同千代田区)の自動貯金アプリ、マネーフォワードの家計簿サービスや法人向けクラウドサービスとの連携を4月から始めた。口座情報を各種サービスとシームレスにつないで利便性向上を目指す。
              

日刊工業新聞2018年6月12日

日刊工業新聞 記者

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06月12日
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フィンテックは収益性と利便性向上で効果が期待できるだけに地銀間の連携は今後も増えそうだ。
(日刊工業新聞経済部・山谷逸平)

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