口腔ケア市場を狙え!日用品メーカーが高付加価値化で開拓

SNSでPRも

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フロスの使い方を説明するライオンの快適生活研究所オーラルケアマイスター平野さん
 口腔(こうくう)ケアに対する消費者の意識が高まり、日用品メーカーが付加価値の高い商品の販売に力を入れている。歯の喪失は、虫歯と歯周病が主な原因。各社はハブラシやハミガキなど従来の定番商品以外に、デンタルフロスや洗口液など、口腔ケア関連商品を拡充。口腔ケアの習慣化を促し、市場全体の拡大につなげる狙いだ。

 毎日ハブラシで歯を磨く人は約95%にのぼり、口腔内の清掃は習慣として定着している。だがハブラシのみでは歯と歯の間の歯垢を約6割しか落とせず、歯垢が残った部分から歯肉炎につながる場合も多い。ハブラシと、デンタルフロスや歯間ブラシの併用で、虫歯だけでなく歯周病予防になるとされる。

 ライオンの調査によるとデンタルフロスを使用している人は約30%で、未使用者は約50%。使った経験はあるが、現在は使っていない人が約20%。歯科医院で推奨されてデンタルフロスを使い始めても、途中から面倒になりやめてしまうケースも多いという。同社快適生活研究所オーラルケアマイスターの平野正徳氏は「デンタルフロスの使用が定着しているとは言いがたい」と指摘する。

 このためライオンでは初心者でも使いやすいフロスを7月に投入するなど品目を拡充。潜在需要の掘り起こしを図る。またお笑い芸人がフロスを体験する様子を、会員制交流サイト(SNS)で発信するなど、従来と異なるピーアールも始めた。

 アース製薬は歯の着色汚れの除去に特化した洗口液「モンダミンホワイトニング」を20日に発売した。虫歯や口臭予防効果もある洗口液の販売に力を入れる。4月には歯科医院専売の洗口液を投入し、インプラント治療などを手がける個人歯科や、大学の付属病院などを対象に専門の営業チームが専売商品を拡販している。

 花王は4月に歯周病や口臭で悩む人向けに、泡を舌の上に直接のせる泡タイプのハミガキを発売。キメ細かい泡が舌の上に密着し、泡が口全体に行き渡り、舌の汚れまで洗浄できる新機軸の商品で、ねばつきなど歯周病の予防にもつながる。

 厚生労働省は、80歳で自分の歯を20本以上保つ「8020(ハチマル・ニイマル)運動」を展開している。歯の健康が健康寿命の延伸にも重要との認識は定着しつつあり、口腔ケアのニーズは虫歯予防だけでなく、口臭や歯周病など多岐に広がっている。
(文=高島里沙)

日刊工業新聞2018年8月31日

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各社は機能性や特徴のある高付加価値製品などを投入して市場開拓を進める。 (日刊工業新聞社・高島里沙)

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