あなたも大学教員になれる?!文科省がリカレント教育で新事業

2019年度予算概算要求に19億円弱計上へ

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女性ビジネスリーダー育成の企業ニーズも高まっている(お茶の水女子大学提供=イメージ)
 文部科学省は2019年度から、社会人のリカレント(学び直し)教育を後押しするため、「実務家教員」を養成する新事業を始める。企業人らは大学で大学教育の知識やアクティブラーニング(能動的学修)などのスキルを身に付け、リカレント教育の教員である実務家教員の候補として各大学に紹介する。共に企業人であるリカレントの教員と受講生が実社会と大学を行き来する仕組みを産学連携で構築する。対象は人工知能(AI)やロボット、女性活躍推進など約20分野。19年度予算概算要求で19億円弱を計上する。

 実務家教員とは企業や自治体、NPO法人などの実務経験を生かした教員を指す。文科省が実務家教員養成に取り組むのはこの「産学コラボレーション人材育成システム構築事業」が初めて。

 実務家はこれまで培ってきた実務知識を学問的に体系化する。併せて大学教育の知識として講義や実習の単位計算、講義準備、成績評価などを学ぶ。さらに講義や演習の訓練、アクティブラーニングやeラーニングのスキル習得を経て教員候補になる。この養成プログラムを大学で開発する。

 これにAIやIoT(モノのインターネット)、経営管理、看護、女性の復職支援など産業ニーズの高い分野で、各大学や厚生労働省が展開しているリカレント教育プログラムを連動させる。産学コンソーシアムが企業と大学の体制整備、実務家教員と地方大学などを結びつける“人材エージェント”業務、さらに奨学金も創設する。

 事業期間は最大5年間。初年度の支援は、各分野固有のスキルを実務家に伝授する推進校で20件(各4500万円)。分野共通の教育手法を扱い他大学との窓口になる中核校で12件(各7200万円)。修了者のデータシステムを作る運営校で1件(9600万円)を予定している。

日刊工業新聞2018年8月24日

COMMENT

山本佳世子
科学技術部
論説委員兼編集委員

大学の教壇に立つことに憧れる社会人は多い。高い専門性を生かした実務家の非常勤講師(本業を別に維持した上での短期間の講師)も、大規模理工系大学では数百人レベルでいると聞く。しかし「どのように教えるか」は、講座担当の大学内部の教員に、軽く助言をもらう程度だ。それを考えると今回の実務家教員養成に向けたプログラム開発は有効だろう。これを機に、名刺や履歴書に大学教員の肩書きを入れるべく、実務家教員に挑戦する社会人が急増するかもしれない。

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