ニュースイッチ

SLの魅力を次代へつなぐ“トーマス号”の整備法

大井川鐵道(静岡県島田市)
SLの魅力を次代へつなぐ“トーマス号”の整備法

日々の点検を大事にする機関士・整備士

 年々と予約困難になる大井川鉄道(静岡県島田市)の「きかんしゃトーマス号」が今年で5年目を迎えた。トーマス号の人気の理由はそのキャラクターのみでなく、本物の蒸気機関車(SL)というところも大きな特徴の一つだ。

 日本国有鉄道(現JR)の電化によりSLの姿が少なくなるなか観光客誘致の切り札として、大井川鉄道は1976年(昭51)にSLの動態保存を行い、製造当時のまま残す取り組みを続けている。

 朝の整備はSL運行までと時間が限られるため、経験の必要な打音検査は、ベテランの整備士が行う。約100カ所をハンマーで叩き、反響音の違いで異常がないか確認する。

 SL製造当時の資料は少なく、正常な状態を視覚だけに頼ることなく、熱・音・においで記憶している。

 トーマス号の運行により客層が若返った。鉄道の原点となるSLの魅力を次代へつなぐ。

SL動態保存を継続するための募金箱

運行の前にトーマス号の窓を拭く機関士

トーマスフェアに集まる親子の様子

(写真・文=北山哲也)
日刊工業新聞2018年8月15日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
今年6月にトーマス号に家族で乗りました。出発駅「新金谷」と到着駅「千頭」は子ども連れの親子で賑わっており、駅周辺の商業施設を含めトーマス号で街全体を活性化しようという意欲を強く感じました。千頭駅ではヒロやパーシーにも会えます。トーマス号は予約困難のようですが、通常の列車に乗ってトーマスとその仲間たちに会いに行くのもオススメです。

編集部のおすすめ