漫画データの着色サービス商用化へ、作業時間は「人だけ」の半分に

大日本印刷の海外需要見据えた新サービス

 大日本印刷は、人工知能(AI)を使ってモノクロの漫画データを着色するサービスの商用化に乗り出す。AIが着色し、トーンの変更など細かい部分を人が手直しする。色を塗る作業にかかる時間は、全て人が行う場合に比べて半分程度にできるという。漫画の出版を手がける企業の需要を見込んでおり、2020年度に2億円の売り上げを目指す。

 大日本印刷が開発したシステムは、AIが漫画の各コマに書かれた内容を判断して着色する。内容によっては1コマ10秒程度で着色可能。さらに同社の漫画専門のエンジニアが、トーンの変更など細かい修正をして完成度を高める。人が漫画の着色をする場合、1枚のイラストに1日程度要する場合もあるが、同サービスを使えば時間を半分程度に短縮できるという。

 同社によると、海外の電子コミック市場ではカラー漫画が主流。一方、国内の漫画はモノクロの作品が多く、「海外進出にはカラー化した方が良いのでは」という声もある。だが着色には時間や費用がかかるため、今回のサービスは海外向けに日本の漫画を売り込みたい出版社の需要を見込む。まずは電子版でカラーの漫画を海外市場に投入し、人気が出たら書籍化するといったビジネスモデルにつながる。

 出版社によっては今後、漫画を着色あり・なしの両方を作成する方針を持っているほか、海外展開にカラー化は必須と考えている出版社が多いという。大日本印刷は漫画の自動翻訳サービスも手がけており、今回の着色サービスと合わせて利用を提案する。

 同社hontoビジネス本部のシステムソリューション開発部の三代川智行部長は「日本のコンテンツの海外市場への進出や、(日本の魅力を発信する)『クールジャパン』戦略に貢献したい」としている。

日刊工業新聞2018年7月10日

COMMENT

平川透
デジタルメディア局
記者・編集者

もともとカラーじゃなかったのは手間や印刷コストなどの制約があったからだと思いますが、デジタルだとそのような制約をクリアしやすくなります。

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