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富士通の営業マン5000人は「デジタル共創人材」になれるか 

営業主体の研修センターを東京・浜松町に。SEと両輪で経営改革
富士通の営業マン5000人は「デジタル共創人材」になれるか 

富士通ジャーナルより(写真はイメージ)

 富士通はデジタル時代における新ビジネスを提案する「共創人材」の育成に向け、約5000人の営業部門に対して研修を実施する。先行して育成中のシステムエンジニア(SE)のデジタル人材に加え、営業部門にも新たなスキルを身に付けさせることで、営業とSEの両輪で成長戦略に据える共創ビジネスを加速する。推進策の目玉として、オープンな共創環境を備えた営業主体の研修センターを東京・浜松町に新設した。

 共創人材の研修は営業部門の幹部社員から順次展開し、2019年度末までに約5000人に上る営業を網羅する。これを機に、営業に求められる新たな役割や研修のあり方を再定義する。

 新設した研修センターは「富士通シーバンスラーニングセンター」。フロア面積は約2000平方メートルと、広めのテニスコートで3面分に相当する。

 従来、営業向け研修センターは東京都大田区に教室形式の施設があったが、今回、共創人材の育成を加速させるために新たに東京都港区浜松町へ移設した。

 同センターには個別のラーニングルームを設置。また、米ニューヨークのカフェをイメージしたオープンな共創空間「アレナ」や、働き方改革を推進するテレワークスペースなどを整備した。

 研修内容は成功体験を伝える従来型ではなく、その都度設定する課題に対して、各自のアイデアを引き出して具体的な提案をまとめ上げる手法を採用した。

 現場の営業だけでなく、幹部社員も研修を受けることで、客先と向き合う部下のアイデアをつぶさずに、率先して採用するような風土を醸成する。

 また、客先とともに受講するコースも用意した。外部講師の助言なども得ながら、実際のビジネスプランを検討する。このコースは25人程度でチームを作り、半数は客先となる。複数の業種が参加するため、業種にまたがった新しいビジネスの検討なども可能という。
オープンな共創環境を備えた営業主体の研修センターを新設した
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
富士通は若手のシステムエンジニア(SE)を中心に、共創ビジネスを推進する「デジタルイノベータ」と呼ぶ人材を育成している。今回はこうした取り組みと軸を合わせ、営業起点でデジタル革新に向き合う。新設するセンターはワークショップやイベントなどの活用も検討していく。 (日刊工業新聞第一産業部・斎藤実)

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