テレワークの起爆剤に!?VR遠隔会議の可能性

NTTデータが開発推進

 NTTデータがテレワークに活用できる「VRによる遠隔会議システム」の開発を進めている。2017年度に筑波大学との共同研究で仮想現実(VR)空間内にアバターや会議資料を表示するなど基礎システムを構築したが、これをさらに改良し翻訳機能や会話内容をチャット形式で表示するなどの新機能を追加した。今後はメモ機能や他のドキュメントが同時に見られる機能を拡充し、20年東京五輪・パラリンピックまでに社内で活用できるようにする。

 VRによる遠隔会議システムは、政府などが進める国民運動「テレワーク・デイズ」(23―27日)に合わせて社内の会議で活用する。3チーム約20人が研究チーム以外で今回初めて利用する。

 同システムは、テレワークの時でも会議室に集まってリアルタイムで議論したいというニーズに対応する。VR空間では、会議参加者の名前が入ったアバターを通じ自由に会話する。会話内容をテロップで文字化するほか、発言ごとにチャット形式で会話を表示することも可能だ。英語での会話もテロップでは日本語に変換するなど自動翻訳機能も搭載している。VR空間自体もビルの屋上のプールサイドなど堅苦しくない雰囲気で会議ができる。

 ただ、ヘッドホンを装着しなければならないほか、コントローラーを手に持っているため自由にメモ書きができない。専用の機器が必要といった課題もある。技術開発本部エボリューショナルITセンタサイバーフィジカル技術担当の山田達司シニアスペシャリストは「臨場感高く会議ができるよう改良したい」と意気込む。

 NTTデータが同システムを開発するのは、働き方の多様化に対応するためでもある。同社は08年にテレワークを導入。育児をする女性社員を支援するために始めたが、10年頃からは全社員を対象に拡大。12年からはシステム環境の整備を進め、記録媒体がない端末を貸与する「シンクライアント化」に乗り出した。すべての業務をデータセンター上のクラウドシステムにアクセスして実行するためセキュリティーを担保できる。18年3月末で全社のシンクライアント化が完了。約3万台の端末を社員やグループ会社社員に提供する。

 現在ではテレワークを含む外出先からのアクセス者も含めると、1日1500人が利用する。人事本部人事統括部ダイバーシティ推進室の来間貴浩課長は、「通勤時間が浮いたため生産性が向上すると考える。テレワークで空いた時間を自己研さんに充てる人も多い。これがクリエーティブな発想につながる」と期待する。

日刊工業新聞2018年7月25日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
07月25日
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23日からの「テレワーク・デイズ」では少なくとも3日間をテレワーク、時差通勤、有給休暇の三つで対応する。全社員の75%が参加予定で、延べ人数は3万3000人規模となる予定だ。課長以上の管理職は期間中少なくとも1日はテレワークを実施する。「社員に選択肢を多く提供するのが目的。台風や地震、大雪など自然災害が起きても、日頃から整備していれば業務が止まらない」(来間課長)と、事業継続計画(BCP)の観点からも重要な取り組みになる。
(日刊工業新聞社・川口拓洋)

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