一眼レフと連携も…インフラの維持管理をAIがお助け

点検作業を効率化

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**レーダー探査技術を実用化/三井E&Sマシナリーとアダコテック
 三井E&Sホールディングス(HD、旧三井造船)傘下の三井E&Sマシナリー(東京都中央区)とアダコテック(東京都品川区)は、人工知能(AI)を活用したレーダー探査技術を実用化した。従来4日を要していた解析画像の診断日数が1日に短縮できる。トンネルや道路、橋梁など老朽インフラの維持管理に向けた調査や点検の必要性が高まる中、技術者不足を先端技術で補う。三井E&SHDのグループ企業が検査サービスを展開しており、新技術をテコに、事業売上高を現状の年2億―3億円から2022年に15億円まで引き上げる。

 電磁波レーダー法によるトンネル探査で得られた3次元レーダー解析画像から覆工コンクリート内部の異常有無を自動判定する。すでに新幹線などのトンネル覆工検査に導入しており、目視確認が必要だった画像量を70%以上削減できた。

 また、技術者の二重確認で防いでいた異常箇所の見落としを無くし、判定のバラツキを最小化できる見通し。産業技術総合研究所で発明された高次局所自己相関特徴(HLAC)を利用した機械学習手法を適用し、自動判定を実現した。

 三井E&SHDは路面下空洞探査サービスや橋梁床版調査、トンネル覆工検査などに適したレーダー装置を自社開発してきた。コンクリートの内部状況を3次元映像化したデータで把握できる「マルチパスリニアアレイレーダ」では、JR東日本と共同開発したトンネル覆工内部探査車への搭載で実用化された。

日刊工業新聞2018年7月26日


ひび割れ自動検知/キヤノンと東設土木コンサルタント


 キヤノンは東設土木コンサルタントと共同で、人工知能(AI)を活用して、インフラ構造物のひび割れを自動検知するサービスを開発した。10メートル四方のコンクリートで実証したところ、約500本のひび割れの検知時間を作業員が実施した場合と比べて約8分の1に短縮した。将来の事業化を視野に改良を重ねる。同サービスは高性能のデジタル一眼レフカメラを活用。幅0・2ミリ以上のひび割れを解析できる高解像度で撮影後、画像処理をした上でAIがひび割れを検知する。

 AIにはディープラーニング(深層学習)でひび割れデータを学習させる。実証段階では検知時間の短縮化だけでなく、ひび割れの検知率も約90%と高い精度を確認した。さらに、画像上において近隣で点在するひびを、1本のつながったひび割れとして検知する機能も設けた。鉄道会社や電力会社などのインフラ関連企業のニーズを想定し、今後も実証を重ねる。

インフラ構造物のひび割れを自動検知する

日刊工業新聞2018年7月27日

COMMENT

葭本隆太
デジタルメディア局DX編集部
ニュースイッチ編集長

老朽インフラの維持管理は技術者不足はもちろん、コストも課題です。最先端技術によって低コストで維持、点検できるシステムの実現が期待されます。

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