英航空ショーで3日間飛行した「MRJ」、受注へアピールできたのか

ちょっとしたトラブルも、静音性などの強みを伝える機会に

 英ロンドン郊外で開かれた航空宇宙産業展「ファンボロー国際航空ショー」が22日閉幕し、米ボーイングと欧州エアバスの会期中の受注実績は、2017年の「パリ国際航空ショー」(フランス)をいずれも上回った。新興国の格安航空会社(LCC)による小型機需要拡大の恩恵を受けた。三菱航空機(愛知県豊山町)は国産小型ジェット旅客機「MRJ」の初の飛行展示を3日間実施し、世界デビューを果たした。

 ボーイングは会期直前に契約した145機も含めて673機を受注し、17年パリの571機を超えた。小型機「737MAX」系が564機と大半だ。ベトナムのLCCのベトジェットは同機種を100機と大量発注。うち80機は胴体長がシリーズ最長の新型機737MAX10だ。

 エアバスは431機を受注し、17年パリの326機を超えた。こちらも小型機「A320」系が304機と多数を占める。発注元を明かさなかったが、新型機「A320neo」系100機の大型受注があった。エアバスはカナダ・ボンバルディアの小型機「Cシリーズ」事業を買収し、7月に「A220」に改称した。同機種も米国の新興航空会社から60機受注した。

 ボーイングは17年パリで、737MAXと中大型機「787」の中間にあたる新型機の構想を披露したが、続報はなかった。開幕前日の15日に各国メディアを集めたラウンドテーブルで、デニス・マレンバーグ最高経営責任者(CEO)は「25年の就航を目指している」と従来の説明を繰り返した。

 三菱航空機は会期中の受注はなかったが、MRJの飛行展示に成功し、存在感を示した。ただ、16日の飛行展示後のけん引車との接触事故で機首が損傷し、17日の飛行展示を中止する事態に。応急措置を施した18―19日は無事に実施し、飛行展示を終えた。

 MRJは開発遅れもあり、新規受注が途絶えている。20年半ばの初号機納入を控え、航空ショーで実際に飛ぶ姿を見せることは、航空会社に静音性などの強みを伝える機会になった。

日刊工業新聞2018年7月23日

日刊工業新聞 記者

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07月23日
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パリ、ファンボローと国際航空ショーでの飛行展示を恒例化する可能性について、三菱航空機の水谷久和社長は「もちろんあるが、パリ国際航空ショーがある19年6月は開発作業が続いていると思う。型式証明の取得も近づいており、微妙な時期ではある」と慎重姿勢を示した。
(日刊工業新聞名古屋支社・戸村智幸)

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