「100席級MRJ」で、ボーイングはライバルに?

エンブラエル買収、「非常に関心を持って注視している」

 旺盛な旅客需要に支えられ、成長を続ける航空機産業。日本航空機開発協会によると2037年までの航空旅客需要は年率平均4・5%の伸びが期待され、今後20年間で3万3500機を超えるジェット旅客機が新規納入される見込み。16日から英国で開催されるファンボロー国際航空ショーを控え、国産旅客機「MRJ」を手がける三菱航空機(愛知県豊山町)の水谷久和社長に聞いた。

 ―米ボーイングのブラジルのエンブラエル買収による影響は。
 「ボーイングにはカスタマーサポートで協力していただく。それは今後も変わらない。三菱重工業全体では、民間航空機のティア1として長年友好関係を築いている。今後も持続すると聞いている。両社の提携の細部については言及はまだない。非常に関心を持って注視している。我々としては、2020年半ばの初号機納入というスケジュール通りに仕上げることだ」

 ―三菱重工は資本増強で三菱航空機の債務超過を解消すると説明しています。
 「三菱重工の融資を受けて開発を継続しており、いつまでも債務超過で良いのかということはある。三菱重工全体でMRJと三菱航空機のあり方を検討しており、我々からどうこうするということではない」

 ―型式証明(TC)の取得に向けた米国での飛行試験の状況は。
 「取得審査となるTCフライトを9月までに始めたい。我々だけでは決められないので、十分に説明して理解してもらいたい」

 ―座席数88席級の「90」に続いて同76席級の「70」を投入する計画です。
 「90の開発を仕上げるのが最優先だ。90のTC取得の先行きは見えてきた。ただ、90は米国の航空会社とパイロット組合の労使協定の問題で、米国で運航できない可能性がある。70の市場性をにらみ、どのタイミングで投入すべきか検討している」

 ―座席数100席級の開発構想があります。“ボーイング―エンブラエル連合”との競合が懸念されます。
 「両社の提携の議論でも、100席級は大きな話題になると考えている。ただ、いまはまず90、次に70を開発するのが正直なところで、100席級の具体的な方向性を考える段階ではない」

―英ファンボロー国際航空ショーで初の飛行展示に臨みます。
 「17年の仏パリ国際航空ショーで実機を初展示し、今回は世界の皆さんの前で飛ばせる。初日16日から3日間、午後に飛行展示する予定だ。詳細な時間は決まっていないが、7分間ほど飛ぶ」
三菱航空機・水谷社長「ボーイングと友好維持」

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
07月13日
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ボーイングのエンブラエル買収が決まり、ボーイングと競合しない小型機市場という前提が崩れる。ボーイングが三菱側との友好関係を維持しても、エンブラエルを重視する姿勢が強まれば、航空会社の発注への影響が懸念される。まずは初の飛行展示を無事に成功させ、航空会社に安心感を与えたい。
(日刊工業新聞名古屋支社・戸村智幸)

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