キレイキレイやシステマ…日用品で広がる“音商標”

ブランド戦略多様化、知的財産保護を推進

 日用品業界で企業名や商品のブランド名にメロディーを付けたサウンドロゴを、音商標として登録する企業が増えている。2015年4月に改正商標法の施行が始まって3年が経過。特許庁によると音商標は、音楽や音声、自然音から成り、聴覚で認識できる商標と定められている。日用品各社は音も知的財産の一つと捉えて、ブランド保護に努める。

 ライオンは、ハンドソープブランドの「キレイキレイ」をはじめ、台所用洗剤「マジカ」、「システマ」など8件の音商標を登録する。他社との差別化に加え、顧客とのコミュニケーション手段の一つとして重視している。

 「キレイキレイ」の音が鳴ることで、手洗い習慣を思い出させるなど、記憶に残るような音にこだわりを持つ。音商標は顧客とのコミュニケーションを権利化できる大切な手段。目薬や解熱鎮痛薬についても、音商標を登録し、ブランドの定着につなげる。

 小林製薬は6件の音商標を持ち、わかりやすさを追求したマーケティング手法をとる。「明確に権利として保護できるようになったことで、まねされにくい環境が整い、安心してメロディーに投資できるようになった」(広報部)という。

 ユニ・チャームは国内で5件保有するほか、中国と台湾、オーストラリアと海外でも保有しているのが特徴だ。商標出願を含めると17件にのぼる。中国では16年に生理用品ブランド「ソフィ」の音商標登録が認められた。外資系企業では初の登録で、中国国際放送局に次ぐ2件目の登録だった。タイでは17年に音商標制度が導入され、子ども用紙オムツブランド「マミーポコ」などが、同国初の音商標出願となった。今後も、国内のみならず、制度がある海外においても積極的に登録する方針だ。

 ブランドではなく、企業名を登録するのはエステー。愛される会社を目指して、企業名の登録を優先した。同社のシンボルであるヒヨコマークは、元気さや誠実さ、常に上を向いて歩く挑戦する姿勢を示す。ヒヨコがピヨピヨと鳴くところから、音商標として登録している。

 企業のブランド戦略の多様化を支援するために始まった音商標。音は言葉以外のブランド発信手段として、存在価値が高まっている。

日刊工業新聞2018年7月13日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
07月15日
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日用品各社はブランド価値を伝える音を通じて、知的財産保護の強化に取り組む。
(日刊工業新聞社・高島里沙)

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