豪雨被害はクラウド利用で抑制を

日本エレクトリック・インスルメントがシステム拡販

 日本エレクトリック・インスルメント(東京都目黒区、野沢侑司社長)は、自治体向けに、クラウドを利用した防災気象観測システムを拡販する。西日本豪雨のような大規模水害が毎年、発生し、自治体は住民を緊急避難させたり、山崩れなどの発生を降雨中に事前予測することが求められている。クラウド利用システムは数千万円するサーバーシステムに比べ数百万―1000万円台で設置でき、停電にも強いのが特徴。導入事例紹介や展示会の活用により、2019年度に数十件の受注を目指す。

 防災気象観測システムの受注件数は17、18年度とも10件程度。自治体は予算の制約があるため、重要性は認めても簡単には購入に踏み切りにくい。ただ、ここ数年は「50年に1度の豪雨」といった水害が全国で多発し、ピンポイントかつリアルタイムな対策が必要になっている。国や県も気象観測システムや水位計設置に動いているが、これらは広範囲の観測が主目的で、市内にある山の北側といったピンポイントの予測は難しいのが実情だ。

 西日本豪雨でも川が氾濫した時に片側の住民だけに避難勧告を出したり、堤防決壊後に避難命令を出すなどの問題が起きた。日本エレのシステムは雨量データの更新が1分単位のため刻々と変化する情勢に対応しやすく、クラウドのためサーバーやケーブルの破損、停電の心配がない。現在の雨量だけでなく、過去数日の累計雨量を基に予測を行い、雨量が少なくとも最近数日間に大雨が降っていれば地盤が緩いと見て、避難警報を出せる。

日刊工業新聞2018年7月13日

COMMENT

葭本隆太
デジタルメディア局
ニュースイッチ編集長

雨量をはじめ気象関連データの集約するツールはかなり進化している印象です。ただ、現状はデータを駆使しても土砂崩れの発生は予測できないと聞きます。そうした予測技術の発展を期待します。

関連する記事はこちら

特集