資生堂のIoTビジネスは“ネスプレッソ”のように稼ぐ

スキンケアシステムを商用化

 資生堂はIoT(モノのインターネット)を活用し、新たなビジネスモデルの構築に乗り出した。個人の肌状態や環境を分析し、その日の状態に合わせて美容液と乳液を提供するスキンケアシステム「オプチューン」をサービス化。併せて、化粧品の使用状況を把握し、継続利用につなげる顧客情報管理(CRM)も進める。3月にベータ版を販売し6月に追加募集をかけた。本格導入に向けた検証を重ねる。

 オプチューンは個人が自宅で使うスキンケアシステム。専用機器に美容液と乳液のカートリッジをセットして、肌状態や環境によって配合や量を変えて抽出する。機器は無料で貸し出し、カートリッジを継続的に購入してもらう仕組みだ。カートリッジは美容液3種と朝・夜用2種の乳液が入った5種類。エスプレッソマシンと専用カプセルコーヒーを販売するネスレのネスプレッソや、プリンターのように消耗品で稼ぐスタイルはスキンケアでは初めての試みだ。

 専用アプリによる肌測定と天気などの環境データを分析し、独自アルゴリズムによって一人ひとりに合う美容液などを抽出する。美容液と乳液は個人に合わせて1000パターンから選ばれる。どういった肌状態の時に、どんな美容液を吐出したかなど、IoTを活用して使用状況を把握し、一定残量になると再購入を知らせる機能もあり、継続購入につなげる。

 専用カートリッジは1本当たり2800円(消費税抜きの価格)。1本は約1・5―2カ月分で、月に1万円程度の出費となる計算だ。月額利用料金は2カ月目まで無料で、3カ月目から900円かかる。

 資生堂では短期間で仮説・検証を繰り返しながら改良する「リーンスタートアップ」手法をとり、オプチューンを通じて社内の風土改革を進める。これまでは一定量の使用を前提に、商品構成も化粧水と乳液の2ステップを基本としていた。だが、美容液と乳液の組み合わせ方など、スキンケアの方法についても、従来の手法からの脱却を図る。

 ブランドマネジメント部の川崎道文ブランドマネージャーは「オプチューンを使えば最適なスキンケアを提供できる。年内の本格導入は難しいが、できるだけ早く導入したい。検証を積み重ねて、使い続けてもらうためのCRMを構築していきたい」と話す。

日刊工業新聞2018年7月11日

日刊工業新聞 記者

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07月11日
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資生堂では専用アプリなどのバグの修正のほか、コールセンターや物流体制の整備を進めている。また、専用機器が故障した際の対応や、アフターフォローなど周辺サービスを構築。ユーザーを増やしながら検証を進め、本格導入を目指す。
(日刊工業新聞社・高島里沙)

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