自閉スペクトラム症、オキシトシンが有効
浜松医大が実証
浜松医科大学精神医学講座の山末英典教授(前東京大学准教授)は、自閉症やアスペルガー障害などを含む「自閉スペクトラム症」の症状に、ホルモンの一種「オキシトシン」が効果的であることを実証した。106人に対して実施した試験で、オキシトシンを経鼻投与した患者の症状が改善していた。治療薬として開発が進むと期待される。成果は6月29日、英科学誌モレキュラー・サイキアトリーで発表された。
研究では投薬を中止した3例を除き、オキシトシンを投与した51例と薬剤を含まない「偽薬」を投与した52例を比較。コミュニケーションの障害について、専門家による対人評価では両群に差はなかったが、話しかけられる際に相手の目元を見る時間の比率から評価すると、オキシトシン投与群で症状が改善していた。また、同じ行動を繰り返す「常同行動」や、興味が偏る「限定的興味」といった症状に対して効果があった。自閉スペクトラム症は、人口の1%以上で認められる発達障害だが、根本的な治療法はない。
研究では投薬を中止した3例を除き、オキシトシンを投与した51例と薬剤を含まない「偽薬」を投与した52例を比較。コミュニケーションの障害について、専門家による対人評価では両群に差はなかったが、話しかけられる際に相手の目元を見る時間の比率から評価すると、オキシトシン投与群で症状が改善していた。また、同じ行動を繰り返す「常同行動」や、興味が偏る「限定的興味」といった症状に対して効果があった。自閉スペクトラム症は、人口の1%以上で認められる発達障害だが、根本的な治療法はない。
日刊工業新聞2018年7月2日