阪大、iPSでダウン症の血液異常原因を解明

「ゲノム編集」と組み合わせ

 大阪大学大学院医学系研究科の大薗恵一教授と北畠康司助教らのグループは、ダウン症候群で頻発する血液異常の合併症「一過性骨髄異常増殖症(TAM)」の病態メカニズムを解明し、原因を発見した。ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)と、「ゲノム編集」と呼ばれる遺伝子改変技術を組み合わせて解析した。ダウン症候群で頻発する白血病や多様な合併症に関して、診断や治療法開発につながる可能性がある。

 TAMはダウン症新生児の10%以上でみられる。従来ダウン症の実験モデルを作ることは困難だったが、ダウン症新生児の臍帯(さいたい)血を用いてiPS細胞を作製。X染色体上にある「GATA1遺伝子」にさまざまなゲノム編集を行い、血球細胞へ分化誘導することでTAMの病態再現に成功した。

 その結果、造血異常の原因となる遺伝子群が、21番染色体上の特定の領域に集まっていることが判明。同領域の作用で変異型GATA1発現が進み、21番染色体のトリソミー(染色体数が3本に増えること)との相互作用でTAMの病態が作られることも分かった。

 診断や治療法の開発につながるだけでなく、精神発達障害や認知機能異常などダウン症の多様な病態研究に対し新たな手法を提示した。

山口 豪志

山口 豪志
05月01日
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iPSの技術によって実際に病気の解明が進んでいることはとても素晴らしい事だと思う。この様な実用事例が増える事でますます日本の医療界が世界に貢献し、人々の役に立つ事に期待したい。

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