モノづくりの現場で培った知見を病院内のムダ削減に生かせ!

GEヘルスケア・ジャパンが最適化提案

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日野工場ではリーン生産方式とデジタル化でムダを減らしている(コンピューター断層診断装置の製造ライン)
 GEヘルスケア・ジャパン(東京都日野市、多田荘一郎社長)が、日野本社工場で取り組む生産改善のノウハウを病院経営に役立てようとしている。キーワードはリーン生産方式とデジタル化。センサーを取り付けた医療機器から稼働データを収集・分析し、機器の最適配置や故障予測で生産性を高める。このサービスで2件の受注を獲得しており、順次商用化する。モノづくりの現場で培った知見を応用して病院内のムダを減らし、顧客の収益改善を後押しする。

 「病院も工場と同じだ」―。同社成長戦略部の松石岳ディレクターはこう話す。日野工場で実施する生産改善の手法を医療現場に落とし込み、ICT(情報通信技術)の活用による“卓越した病院を作る”というコンセプトで進める。医療機器のデータを収集・分析して最適化するまでパッケージで提案。顧客に応じたサービスの提供により病院の生産性を高めてコストを抑える狙いだ。

 具体的には機器の資産データやITシステムの運用データ、機器の位置情報から機器の台数、配置場所、稼働状況などを把握。これを基に、例えば故障を予測してダウンタイムを回避したり、稼働率の低い機器を洗い出してコストを平準化したり、患者が増えている診療部門に機器を追加したりする。

 このサービスは超音波診断装置など可動式の小型医療機器が対象となる。2018年度中に手術器具や医療材料、薬剤にも適用範囲を広げる。無線識別(RFID)などを用いて器具や材料の需要を予測し、在庫を適正化したりする。
 
 さらに「病院の一番の悩みでもある医療従事者の働き方改革は大事」と松石ディレクターは強調。医師や看護師など医療従事者の業務効率を高めるサービスも準備する。院内データを分析して医師による検査時間のバラつきを減らしたり、看護師が装着した通信端末から追尾してムダな動きを減らしたりする。

 また改善策として保険請求といった事務処理をロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)で効率化するなどICTを積極的に活用。これらの取り組みを通じ、医療従事者の付帯作業を削減し、その分を患者のケアに充てたりする。

日刊工業新聞2018年6月19日

COMMENT

日野工場では課題の可視化と改善で製造リードタイムを最大65%削減した。病院向けはこれからだが、厳しい経営環境が続く病院の変革を支援する切り札となるか。まずは事例を積み上げ、その有効性を示すことが普及へのカギとなる。 (日刊工業新聞社・清水耕一郎)

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