文化財など日本の魅力「4K・8K」映像で発信へ

凸版印刷がデータ集約のプラットフォーム作成

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地方創生・観光に関するビジネス拠点を東京・丸の内に7日新設した(拠点内のVRシアター。映像は江戸城)
 凸版印刷は全国の遺跡、建造物、モノづくりの技能など有形・無形の文化財を対象に、高解像度の「4K・8K」で撮影した映像や3次元(3D)計測したデジタルデータなどを集約するプラットフォームの作成に乗り出す。集めたデータを活用し、日本の魅力を発信することで訪日外国人の増加につなげる。政府が掲げる観光立国の実現を後押しする。全国の自治体や博物館、観光関連企業などに協力を呼びかけ、プラットフォームの作成では産学官によるコンソーシアムの立ち上げも視野に入れる。

 凸版印刷は地方自治体による地方創生戦略の策定・実行や、文化財など地域資源の利活用を担う地方創生事業を手がけている。重要文化財(重文)をテーマとした仮想現実(VR)作品の制作などではグループで350件以上の実績を持つ。アーカイブ化に関する知見を生かし、有形・無形の文化財をはじめ、祭りや食といった文化・観光コンテンツについて、統一規格・フォーマットを適用したVRや4K映像などのアーカイブ化を目指す。

 凸版印刷は2022年度に地方創生事業の売り上げを現在の2・5倍となる約500億円に高める考えだ。

 日本が観光立国として訪日外国人の増加を目指す中、観光資源をデジタルアーカイブ化して情報を広く発信する仕組みを作る。ウェブサイトやスマートフォンの専用アプリケーション(応用ソフト)、VR映像を上映できる施設などでの公開を想定する。

 同社によると日本の国宝や重文指定史跡は約1万3000件あり、その多くがデジタルアーカイブ(電子記録・保存)されていないという。欧州には欧州連合(EU)が主導し、各国の図書館や美術館、博物館、大学・研究機関などが所蔵する書籍や絵画といった文化遺産をデジタルアーカイブした「ヨーロピアナ」がある。日本でも同様のプラットフォーム開設に取り組む。

日刊工業新聞2018年6月21日

COMMENT

 政府は20年までに訪日外国人旅行者数を4000万人、同旅行者による国内消費額8兆円実現の目標を掲げる。今回の取り組みが、日本の魅力発信となって政府目標に寄与することが期待される。 (日刊工業新聞社・福沢尚季)

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