合弁解消で安堵のスズキ、中国事業の頼みはやっぱりトヨタ?

求められる新機軸

 スズキは中国の昌河汽車と合弁解消した。スズキグループが保有する「江西昌河鈴木汽車(昌河鈴木)」の46%の全持ち分を昌河汽車に譲渡した。「のどに刺さっていた小骨がようやく取れた」と、スズキ関係者は安堵(あんど)の表情を浮かべる。昌河鈴木からの撤退は長年の懸案だった。

 譲渡価格は非公表。すでにスズキブランド車の生産は終了し、経営への影響は軽微としている。昌河鈴木は1995年に生産開始。14年度にピークの年間9万台を生産したが、17年度は約2万台。直近の生産車種は「ワゴンRワイド」1車種だけだった。もう一つの合弁会社「重慶長安鈴木汽車」(長安鈴木)での生産は継続する。

 関係者によるとスズキと昌河汽車は車両開発などを巡り、関係が悪化したという。09年に長安汽車が昌河汽車を吸収合併したのを機に、スズキは経営資源を長安鈴木に集中させようと試みるが難航。このため昌河鈴木への新型車の投入を凍結、駐在員も引き上げるなど、塩漬け状態が続いていた。

 晴れて“離婚”が成立したスズキだが、中国事業は視界不良だ。同じ10億人以上の人口を抱えるインドでトップだが、中国では市場にマッチした大型車や高級車のラインアップがない。生き残るには電気自動車(EV)や業務提携するトヨタ自動車との協力など新機軸が不可欠だ。スズキは小型車の需要が少ない米国での4輪車販売から撤退しており、今後の判断から目が離せない。


日刊工業新聞2018年6月18日

中西 孝樹

中西 孝樹
06月18日
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17年度で会計的な対処が終了しており、昌河鈴木からの撤退は時間の問題だと見られていた。Cセグ中心の中国市場では現在のスズキは商品的な競争力を発揮しづらい。当面、欧州-インドに経営資源を投下し、経営基盤の盤石化が必要だ。中国市場は2025年-30年には成熟化に向かう。市場特性も変わり、需要ニーズの分散化も始まるだろう。その頃にはBセグ車の成長も期待できる。一度撤退すれば復帰は困難であり、それまでは長安鈴木で耐え忍ぶ経営が必要だろう。

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