労働力不足に備えた鉄道車両、続々導入へ

東京メトロや東急など、IoTで予防保全

 首都圏の都市鉄道でIoT(モノのインターネット)車両の導入が始まった。東京メトロは、2019年投入の新型車両に走行中の状態を遠隔監視するシステムを搭載する。東京急行電鉄は、導入を進める新型車両と指令所の間に高速データ通信環境を整える。車両の常時状態監視で故障の予兆を検知し、予防保全で故障原因による列車遅延を減らす。状態基準保全(CBM)を実現し、将来の労働力不足に備えて保守作業の最適化を目指す。

 東京メトロは、19年2月に投入する丸ノ内線新型車両「2000系」で車両情報管理装置(TIS)を刷新。常時状態監視に対応した「N―TIS」を開発して搭載する。限られた通信容量で必要な情報を送るため、データを加工するエッジコンピューティングの機能も持たせる見通し。

 従来のTIS搭載車でも常時状態監視を実現するため車両データ無線伝送システムを整備する。すでに銀座線2編成で試行しており、年度内には東西線で本格導入。取得したデータに基づく保守最適化の研究を始める。

 東急電鉄は、3月に営業運転を始めた田園都市線新型車両「2020系」で、次世代車両制御システム「INTEROS(インテロス)」を搭載した。すでに車両側はデータを送出できる体制だが、地上側が未対応。18年度にWiMAXによる通信ネットワーク構築を進め、今後の車両データ活用を見据える。

日刊工業新聞2018年6月15日

日刊工業新聞 記者

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06月16日
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インテロスはJR東日本と三菱電機が開発した。JR東子会社の総合車両製作所(J―TREC)が製作する車両でオプション採用が広がる。初めて搭載したJR東の山手線新型車両「E235系」は、すでに20編成近くが運行中。走行データの取得も進み、JR東は蓄積したビッグデータ(大量データ)を活用してCBMの確立に取り組んでいる。得られた知見は、他のインテロス搭載車にも役立てられる見通しだ。
(日刊工業新聞・小林広幸)

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