労働力不足に備えた鉄道車両、続々導入へ

東京メトロや東急など、IoTで予防保全

  • 0
  • 21
IoT車両の先駆けであるJR東の山手線新型車両「E235系」
 首都圏の都市鉄道でIoT(モノのインターネット)車両の導入が始まった。東京メトロは、2019年投入の新型車両に走行中の状態を遠隔監視するシステムを搭載する。東京急行電鉄は、導入を進める新型車両と指令所の間に高速データ通信環境を整える。車両の常時状態監視で故障の予兆を検知し、予防保全で故障原因による列車遅延を減らす。状態基準保全(CBM)を実現し、将来の労働力不足に備えて保守作業の最適化を目指す。

 東京メトロは、19年2月に投入する丸ノ内線新型車両「2000系」で車両情報管理装置(TIS)を刷新。常時状態監視に対応した「N―TIS」を開発して搭載する。限られた通信容量で必要な情報を送るため、データを加工するエッジコンピューティングの機能も持たせる見通し。

 従来のTIS搭載車でも常時状態監視を実現するため車両データ無線伝送システムを整備する。すでに銀座線2編成で試行しており、年度内には東西線で本格導入。取得したデータに基づく保守最適化の研究を始める。

 東急電鉄は、3月に営業運転を始めた田園都市線新型車両「2020系」で、次世代車両制御システム「INTEROS(インテロス)」を搭載した。すでに車両側はデータを送出できる体制だが、地上側が未対応。18年度にWiMAXによる通信ネットワーク構築を進め、今後の車両データ活用を見据える。

日刊工業新聞2018年6月15日

特集記事

ソニー不動産の挑戦が示したこと、住宅業界に“メルカリ”は生まれないのか (2018年06月16日公開)
売り上げがたたない…不動産業界でテック企業が生き残るための必須条件 (2018年06月17日公開)
ブロックチェーンが賃貸住宅をホテルに変える? (2018年06月18日公開)
【開拓者に聞く】クラウドファンディングだから実現できる本当の不動産投資市場 (2018年06月15日公開)
労働力不足に備えた鉄道車両、続々導入へ (2018年06月16日公開)
“不動産テック1.0”の立役者が描く未来 【井上高志ライフル社長インタビュー】 (2018年06月19日公開)
不動産仲介大手が火花散らす、“ICT競争時代”に入った (2018年06月20日公開)
「ソサエティ5.0」実現へ、国土交通省は不動産業の情報化を加速する (2018年06月21日公開)

COMMENT

インテロスはJR東日本と三菱電機が開発した。JR東子会社の総合車両製作所(J―TREC)が製作する車両でオプション採用が広がる。初めて搭載したJR東の山手線新型車両「E235系」は、すでに20編成近くが運行中。走行データの取得も進み、JR東は蓄積したビッグデータ(大量データ)を活用してCBMの確立に取り組んでいる。得られた知見は、他のインテロス搭載車にも役立てられる見通しだ。 (日刊工業新聞・小林広幸)

関連する記事はこちら

特集