めんたいこ調味液を使ったツナ缶、想像を超える売れ方のなぜ?

ふくや社長に聞く。価格帯下げ、独自ブランドに

 博多の定番土産、辛子めんたいこを生み出した、ふくや(福岡市博多区、川原武浩社長)。製造に使う調味液を利用した缶詰「めんツナかんかん」は、贈答品として新たな層を開拓するため2015年に発売した。累計350万個を販売し「想像を超える売れ方」と語る川原社長に、開発時の思いや今後の戦略を聞いた。

 ―開発の経緯は。
 「贈答品として、めんたいこの長期的な需要低下があった。08年頃から常温で持ち歩ける製品の開発を進めていたが、なかなか具現化しない。『ふくやのものは自分たちでつくる』という社風も理由だったかもしれない。そんな時、自宅で何げなくツナとめんたいこの調味液を合わせると、想像以上の味で手応えを感じた。そこで、統括部長だった14年に、経営主導で開発を始めた」

 ―「ツナ」に着目した理由は。
 「カレーやマーボー豆腐のように『辛み、脂、うまみ』が組み合わさった物は消費者の定番として広がってきた。魚のため宗教的ハードルが低く、缶詰として賞味期限を長く設定できる利点も踏まえている。品質は妥協できないので、ツナを加工する製造委託先を静岡県で探したが、候補先にはことごとく断られた。最後にダメ元で当たった由比缶詰所(静岡市清水区)と出会い、一気に製品化できた」

 ―製品の広がりもあります。
 「初年度に100万個売れ、他の製品と比べてリピート率も高かったため、17年に『めんツナ』を出した。スーパーマーケットなどの量販店がターゲット。ブランド名も『鱈(たら)卵屋』として価格帯を下げ、『ふくや』との線引きを明確にした。大手が同様の製品を出すと太刀打ちできないので先に仕掛ける狙いもあった」

 ―今後の展開は。
 「レパートリーを増やすより、売り方に注力する。映画やアーティストなどとコラボしたパッケージを出すと、今まで接点がなかった層が、めんたいこを購入する効果が出ている。県外で購入できる場所も増えており、土産物として価値観を高める売り方も考えなければならない」
               

日刊工業新聞2018年6月12日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
06月12日
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国内外からの観光客が増え続ける福岡で、「定番土産」になるには激しい争いを勝ち抜かなければならない。菓子類と比べ、辛子めんたいこは価格帯や製品の特徴から、多くの人に配るのが難しいという弱点があった。1缶300―400円の『めんツナかんかん』は手軽さと高級感の両立がヒットした要因の一つ。製品化により、廃棄せざるを得なかった調味液の活用にもつながり、食材ロスを減らしている。
(日刊工業新聞西部・高田圭介)

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