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日本ハムがオーストラリア産大麦牛の輸入量5倍に。“国産同等”前面に

外食産業やグローサラントへの提案を増やす
日本ハムがオーストラリア産大麦牛の輸入量5倍に。“国産同等”前面に

供給を拡大する豪州産大麦牛

 日本ハムは国産牛と同等の穀物を与え、品質管理を強化した豪州産の赤身肉「大麦牛アンガス種」の供給量を大幅に増やす。豪州から日本への輸入量で、2018年度は17年度比約5倍を計画。既存の外食産業向けに加え、量販店には店内の食材で作った料理をその場で提供する「グローサラント」への提案などを増やし、家庭の需要も掘り起こす。

 グローサラントは食料品店の「グローサリー」と「レストラン」を掛け合わせた造語で、欧米を中心に展開されている量販店の新しい営業形態。スーパーマーケットなどの店内で販売する食材を使って外食と同様の料理を提供し、家庭での調理法も教える。

 アンガス種は国産牛と異なり、赤身で人気が高まっている。一般家庭でステーキを食べる機会も増えているため、「グローサラント」のような量販店への提案を増やし、需要を掘り起こす。

 大麦牛は豪州の日本ハム子会社直営の牧場・工場で作られた牛肉で、人気のあるアンガス種を展開する。従来は育成期間ごとに細かく分類していたが、これを廃止し効率よく供給する体制を整えた。国産と同等の付加価値の高い牛肉として市場を開拓する。
日刊工業新聞2018年6月7日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
通常の豪州産アンガス種は放牧で育てられているが、日本ハムは国産牛と同様に穀物で育て、処理・加工して臭みを抑えているという。

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