スバルの「明るく風通しの良い企業文化」は、ピカピカの本社ビルの中だけ!?

新たな不正発覚、なぜ徹底して調べきれないのか…

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会見する吉永社長
 SUBARU(スバル)は5日、完成車を出荷する前の検査工程で新たな不正が発覚したと発表した。燃費と排ガス値の測定で、法令で定められた条件を逸脱した状態で取得したデータも有効と処理した事案が見つかった。対象台数は重複台数を除いて927台で、一連の検査不正問題の対象は計1551台になった。5月中旬にスバルへの立ち入り調査を実施した国土交通省から指摘を受け判明した。不正の原因や背景について社外の専門家に調査を委託し、1カ月後をめどに国交省に報告する。

 完成車を出荷する前に行う燃費・排ガス測定値を改ざんした問題に続き、新たに試験方法で不正が発覚した。吉永泰之社長は「再びご迷惑や心配をおかけする事態になり大変申し訳なく思っている」と陳謝した。

 今回の検査不正では定められた速度を許容範囲を超えて逸脱した測定とともに、試験室内の湿度が規程の30―75%を逸脱した測定も有効データとして処理していた。

 スバルは同日、吉永社長が22日の株主総会後に代表権を返上し、最高経営責任者(CEO)も兼務しない取締役会長に就く人事を発表した。中村知美専務執行役員が代表権のある社長兼CEOに就く。吉永社長は「一連の問題から逃げずに向き合う気持ちは変わっていない」とし、企業風土改革に専念することを強調。7月に公表予定の中期経営計画については「いつ発表するか考え直さなければいけない」と述べた。

日刊工業新聞2018年6月6日

COMMENT

中西孝樹
ナカニシ自動車産業リサーチ
代表

新たな不正というが、前回4月の最終報告書に含めておくべき内容だ。安全や品質には問題はなさそう。なぜ、徹底して調べきれないのか。 吉永氏は明るく風通しの良い企業文化を築いてきたと思っていたのだろうが、それはピカピカの恵比寿の本社ビルの中だけのこと。 生産や技術の領域では、たこつぼ化し 昔ながらの 風通しの悪い企業風土がそのまま残っているようだ。その実態を気づくのが遅れた経営責任は重い。 花道の無いCEO退任は 悔やまれるが、 会長としての新たな領域での挽回を期待する。

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