治安悪化に悩む米ラスベガス、NTTのAIが街の安全性を高めます!

9月に実証実験、海外事業強化へ

  • 0
  • 6
ラスベガス市で実証する群衆人数監視のイメージ
 NTTは、人工知能(AI)やネットワーク、IT機器・ソフトウエアの統合運用技術を用いて世界の都市の安全性を高める取り組みを始める。第1弾として9月に米ラスベガス市で実証試験を行う。治安悪化に悩む同市など都市向けの需要を見込むが、ターミナル駅や大規模イベント開催場所での混雑解消支援といった日本の都市向けの応用もできそうだ。

 ラスベガス市の実証では、ダウンタウンの3カ所に監視カメラや音響センサーを計30台配置する。クラウドからネットワーク、顧客のIT資産までを一元的に運用できるNTTの技術「コグニティブ・ファンデーション」を用い、群衆の動きや量、交通状況、事件性の高い音声などをデータセンターに集める。

 この情報をNTTグループのAI技術「コレボ」で分析する。現場の気候データや関連する会員制交流サイト(SNS)情報などを加味しながら事態の深刻度や事件性の有無を予測する。
 
 例えば監視区域に一定数を超えた群衆が集まるとデータセンターに通知する。その後も群衆が増え続け、雨で周辺のアーケード街に群衆が殺到して混乱しそうだとAIが判断した場合にアラーム(警報)を出し、精密な現場映像を送信。事が大きくなる前に警官を現場に派遣できるようにする仕組みだ。

 NTTは、ラスベガスで2カ月間実証した後、今冬をめどに世界の都市向けに商用展開する。ラスベガス市との提携以前に実証試験を打診していた米国の複数の都市が関心を示しており、NTTの課題である海外事業強化につなげる考えだ。

 一方、日本の都市向けには、鉄道事故などで群衆が殺到する大規模ターミナル駅の群衆誘導などでの需要を見込む。国際的なイベントを開く競技場に押し寄せる大勢の観客の分散誘導にも役立つ。

日刊工業新聞2018年6月5日

COMMENT

監視カメラや音響センサーが感知した群衆の情報をもとに、今後の天候状況を加味しながらAIが今後の状況を予測、最適な誘導法を示す日常も近い将来に実現することになりそうだ。 (日刊工業新聞社・水島真人)

関連する記事はこちら

特集