県民が“おもてなし隊”に、栃木県の観光政策がスゴい

JRグループ6社との大型企画が大詰め

 19年ぶりの祭典―。JRグループ6社との大型観光企画「デスティネーションキャンペーン(DC)」が、栃木県で行われている。4―6月の間、県を挙げての“おもてなし”を実行。残り1カ月を切り、観光誘客に一段と力が入る。大型イベントを核に「観光立県とちぎ」の実現を目指す取り組みを追った。

 DCは「プレ」「本番」「アフター」とそれぞれ4―6月までの3カ月、3年間にわたって観光資源の掘り起こしや磨き上げを図り、地方創生につなげるキャンペーン。

 4月に開いたオープニングイベントで、福田富一栃木県知事は「全県をあげて観光資源の磨き上げを図ってきた。栃木の魅力を堪能してもらえると確信している」と力を込めた。自信の裏付けは、これまでの軌跡にある。

 2017年のプレDC開催前に、500以上の彫刻などで知られる日光東照宮の陽明門(日光市)が修復を終え、4年ぶりに姿を見せた。また、期間中にはタクシーの送迎付きで旧中禅寺湖スカイラインから夜景と夜空を楽しむイベントなど、多様な企画を実施。

 18年の本番での企画はベルギー王国大使館別荘(同)の見学をはじめ、企画数276本とプレDCの2倍以上に増やした。

 県民の意識も高まっている。笑顔でのあいさつを呼び掛けるなど、県民による“おもてなし”を実践する「おもてなしいちご隊」を17年8月に結成。18年4月までに3万人以上が登録し、5月には4万人となった。県民一丸となったリピーターづくりに注力している。

 県観光交流課DC推進班の阿久沢由紀子班長は「観光客をもてなす機運の高まりを感じる。引き続き、各地の魅力を多く発信していきたい」と手応えをつかんでいる。

 県はDC期間で観光客入り込み数で2500万人、宿泊数で220万人を目標に掲げる。5月の定例会見で福田知事は、入り込み客数の目標について「十分達成可能」とした一方で、宿泊数目標については「もっと頑張らないと難しい」と指摘した。

日刊工業新聞2018年6月1日

日刊工業新聞 記者

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06月01日
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福田知事は目標達成に向けて「北関東3県プラス福島(のような)広域の取り組みを強化していく必要がある。県内での周遊にも力をさらに入れていく」と強調。本番の総仕上げへ、ラストスパートをかける。(日刊工業新聞社栃木支局・前田健斗)

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