JR上場4社が最高益も新幹線では明暗

北海道新幹線は開業効果の一巡で苦戦

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開業効果の一巡で苦戦した北海道新幹線
 JR7社の2018年3月期連結決算が10日までに出そろい、上場4社の当期利益はいずれも過去最高となった。鉄道運輸収入は、好景気を背景に大都市圏の定期客や新幹線利用客が増え、訪日外国人客の利用もあり旅客全社が増加。貨物も長距離貨物のモーダルシフトを追い風に増加した。一方、JR北海道とJR四国は経営安定基金の運用益を頼りとする状況に変わりはなく困難が続いている。

 新幹線は明暗が分かれた。東海道・山陽新幹線は「ビジネス、観光、訪日外国人客に支えられた」(来島達夫JR西日本社長)のに加えて「景気が良いとグリーン車の利用が増える」(金子慎JR東海社長)ことも収益拡大に寄与。台車に亀裂が生じた重大インシデントの業績への影響は限定的だった。一方、北海道新幹線は開業効果の一巡で苦戦した。

 大都市圏での定期利用客は「経済が安定していることの裏返し」(松木茂JR東日本常務)と堅調。ただ地方は人口減少が加速し、路線維持問題に直面する。

 JR四国は基金運用益が増えたことで経常黒字を回復したが、災害復旧費用が当期益を圧迫。JR北海道は除雪費や修繕費などの安全投資が重くのしかかっている。
              

日刊工業新聞2018年5月11日

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19年3月期は、本州3社の当期利益がそろって過去最高を更新する見通し。各社は成長事業として非鉄道分野の拡大に力を入れており、収益増にも貢献している。 (日刊工業新聞・小林広幸)

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