気象ビジネス市場を拡大へ

気象庁が新組織、中小企業などの気象情報活用を支援

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気象庁は日々膨大な情報を収集している(気象庁提供)
 気象庁は、気象情報のビジネスへの活用支援を強化するため「気象ビジネス支援企画室」を新設した。気温や日射量予測といった気象情報の新たな活用方法を探り、農業や製造、物流、建設など多分野で生産性向上につなげる。また、産業界との連携の場を増やし、気象ビジネス市場の拡大を図る。

 食品や季節家電の需給予測に長期気温予測を使い、効率的な生産管理や販売計画に役立てるなど、気象情報を活用する企業が増えている。ビッグデータ(大量データ)や人工知能(AI)技術の進展で、気象情報の高度利用ニーズがさらに高まるとして設置した。

 企画室は、気象情報の民間利用や民間気象事業者の許認可などを担当する情報利用推進課内に設けた。同課の職員を13人から18人に増やし、うち7人を企画室に置く。

 2017年に産官学で立ち上げた気象ビジネス推進コンソーシアム(WXBC)の活動を通じて、産業界のニーズを聞き取り、新たな気象情報の発信や運用方法を検討する。

 例えば、顧客情報など企業が持つデータと組み合わせて使えるよう、データ提供方式を見直す。一般に、気象観測データは特殊な形式で、企業のシステムで使うにはデータを加工する必要がある。

 需給予測や在庫管理への気象情報活用は、飲料業界などで先行するが、小売りや物流など、特に小規模な事業者では進んでいない。

 佐藤豊室長は、「気象庁ホームページの公開情報を使うだけでも効果はある。情報収集や分析にコストをかけられない中小企業に利用を広めたい」とする。

日刊工業新聞2018年4月26日

COMMENT

葭本隆太
デジタルメディア局
ニュースイッチ編集長

日本気象協会が食品メーカーなどと天気予報を活用した需要予測の実証実験を取材したことがあります。ツイッターなどの「暑い」といったつぶやきの活用を模索していたのが印象的でした。

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