「工学系」大学、学科の縦割り解消し分野融合を加速せよ

文部科学省が大学設置基準を改正

 文部科学省は工学系教育改革で、学科の縦割り解消と学部・修士の6年一貫教育を可能にする大学設置基準の改正を行う。学科は教員・学生の組織が同一だがこれを別にし、社会の分野ニーズに対応して教員や入学者の数を変えられるようにする。また6年一貫で卒業論文研究に替えて、学生が経営学など別分野を学んだり産学連携教育に参加できるようにする。2018年度中に改正し、19年度からの実施を目指す。

 現在、教員と学生の数は各専門分野の学科ごとに決まっている。しかし、社会や受験生のニーズに合わせて柔軟に変えられることが望ましい。例えば工学部の学部生の就職比率はこの20年強で、通信業が急増する一方、製造業が低下するといった変化が顕著だ。

 そこで今回、教員は大くくりの「学部」所属とし、「課程」に所属する学生を指導する形にする。学部全体の専任教員数の枠内で、研究を手がける柔軟な教員組織となるため、分野融合や新領域開拓がしやすくなるという。学生も学部全体での定員とする。大学院も同様に変える。

 6年一貫教育は研究型大学の工学系で、学生の大半が大学院修士課程へ進学している現状に対応する。修士論文を仕上げとするため卒論をなくし、替わりに副専攻の別の学びや、長期の留学やインターンシップ(就業体験)などの手法を活用できるようにする。

 他学部の教員や産業界の実務家教員の関わりも強化する。企業人が部分的な講義・指導でなく、工学系専任教員と教育カリキュラムを編成したり、学生の研究指導を行ったりできる体制を整える。現在、中央教育審議会の作業部会で議論の最終段階で、文科省は速やかに諮問・答申を経て改正する方針だ。
  

日刊工業新聞2018年4月19日

山本 佳世子

山本 佳世子
04月20日
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研究室指導や各学科の専門性を大事にする工学系教育は、日本の強みとして作用してきたが、今はそれだけでは世界と戦えなくなってきている。学生や社会のニーズに対して柔軟に対応し、かつ基本もおそろそかにしない、新時代の教育が求められている。

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