米中貿易摩擦、日系テレビメーカーに明暗も。シャープは逆風?

鴻海グループが米国生産前倒しの可能性

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シャープの液晶テレビ
 電機メーカー各社が米国と中国の貿易摩擦の行方を見守っている。米通商代表部による中国からの輸入品への追加関税の対象品目にテレビが含まれているからだ。既に中国ではTCL集団が米国向けのテレビ輸出事業への影響を示唆したのに加え、ソニーや東芝映像ソリューション、シャープも今後の動向を注視する姿勢を示す。貿易摩擦が本格化すれば、プラスとマイナス両方の側面で各社に影響を及ぼしそうだ。

 今はまだ足元での影響は見えておらず、ソニー、東芝映像ソリューション、シャープはそれぞれ「今後の動向を注視する」との姿勢だ。ソニーは収益性の高い欧米市場中心に展開している上、テレビ生産の一部を中国で手がけているものの「中国から米国への輸出はしていない」(広報)。

 東芝映像ソリューションとシャープも、米国市場はブランド供与型ビジネスにシフト済み。ライセンス収入が減る可能性はあるが、「直接的な影響は軽微」(同)とする。

 ただし東芝映像ソリューションは中国ハイセンスに、シャープは台湾・鴻海精密工業に買収された。野村証券の岡崎優アナリストはレポートで「米国は2017年テレビ輸入台数の47%を中国が占める。サプライチェーン全体で一定のコスト増は免れない」と指摘する。

 既にTCLは米国向けテレビ輸出事業に影響が出る可能性があると公表した。中国メーカーは米国向け輸出が難しくなった場合、中国での販売拡大で現地工場の稼働率維持を図る可能性がある。

 「中国でテレビの販売拡大を進めてきたシャープにとっては、逆風になりかねない」(岡崎氏)。影響が大きければ、鴻海グループが米国で進めるテレビ工場建設計画を前倒すことも予想される。
               

COMMENT

政年佐貴惠
名古屋支社編集部
記者

一方、米国市場での中国の競争力が低下すれば「高付加価値モデルで欧米を中心に展開するソニーの優位性が増すかもしれない」(同)。米中貿易摩擦が各社に戦略変更を迫るかもしれない。

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