欧州でディーゼル車を早めに見切ったトヨタの勝算

ガソリンハイブリッドの強みを前面に

 トヨタ自動車は5日(現地時間)、欧州でディーゼルエンジンを搭載する乗用車の販売を終えると発表した。2018年に発売する新型車からディーゼル車の設定をなくす。商用車には引き続きディーゼル車を設定する。欧州では15年以降に欧州メーカーで排ガス試験不正問題が相次ぎ表面化し、市場ニーズが電動車に移っている。今後はハイブリッド車(HV)を中心とする販売にシフトする。

 スイスで6日に始まるジュネーブモーターショーを前に現地で発表した。トヨタの欧州販売に占めるディーゼル車の比率は17年に13・1%と、12年の30・2%から急減。乗用車に限れば17年は10%以下に落ち込んでいる。

 一方で欧州のHV比率は17年に41%と前年から9ポイント増え、日本などと同水準に達した。特に小型スポーツ多目的車(SUV)「C―HR」では販売の78%をHVが占めており、HVに販売の重点を置くことで欧州でのシェア拡大を目指す。

 6日に発表する小型車「オーリス」ではディーゼルエンジンの設定をなくし、排気量1・2リットルの直噴ガソリンエンジンと、同1・8リットル、同2リットルのガソリンハイブリッドモデルの計3種類を用意する。トヨタモーターヨーロッパのヨハン・ファンゼイル社長は「HVのラインアップ拡大は乗用車の顧客ニーズに対する自然な反応だ」とコメントした。

 商用車と位置付けるハイラックス、プロエース、ランドクルーザーには、引き続きディーゼルエンジンを設定する。

日刊工業新聞2018年3月7日

中西 孝樹

中西 孝樹
03月07日
この記事のファシリテーター

2023年にも導入予定のEuro7では、オーリス、ヤリスクラスの乗用車ではディーゼルはコスト競争力は消滅し、存続が困難だ。ガソリンハイブリッドに強みを持つトヨタは早めに見切りをつけてハイブリッド強化を進める。2018年には欧州販売の47%近くをハイブリッドとする計画だ。ハイブリッドは燃費追求とパワーの二本建てを進めていく。ホンダも欧州向け新型CRーVにハイブリッドを設定する。

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青山 和弘
青山 和弘
03月08日
さすがトヨタ、決断が速いです。
選択と集中の見本です。得意分野で勝負する。
自動車業界は経営スピードの時代です。
自動運転、燃料電池、EVと開発費用がかかります。
あくまでも個人的な意見です。
箕輪 陽一
箕輪 陽一
03月07日
ディーゼルエンジンは内燃機関としては大変優れていると思う。トヨタがこれを見切ったというのはさみしい気がする。
商用車では見切っても何らかの形で社内に技術が残るように工夫されることを期待したい。いつか日の目を見るときがあるかもしれないので。
  

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